歯のことは意外と弱いと気づいた
今回あらためて思ったのは、乳歯の早期脱落である。
なんかの総合診療系の本で読んだんやったか?
4歳未満で、外傷なしに乳歯が抜ける。
しかも抜けた歯の歯根が長いまま残っている。
このパターンである。
普通、乳歯は6歳前後から永久歯への交換が始まる。
永久歯が下から上がってきて、乳歯の歯根が吸収されて、それで自然に抜ける。
だから普通に抜けた乳歯は、根っこが短い、あるいはほとんどない。
ところが、低ホスファターゼ症では少し違う。
ALPが低いことで、骨や歯の石灰化がうまくいかない。歯では特にセメント質の形成が弱くなり、歯根膜を介した歯の固定が甘くなる。すると、歯根が十分に吸収されていないのに、乳歯がぽろっと抜けてしまうことがある。
つまり、
低ALP
→ セメント質形成不全
→ 歯の固定が弱い
→ 歯根が長いまま乳歯が早期脱落
という流れである。
もちろん乳歯が抜けたから全部HPPというわけではない。
外傷もあるし、歯周炎もあるし、年齢によっては生理的な交換もある。
でも、4歳未満・外傷なし・歯根が長いまま脱落なら、低ホスファターゼ症を考えて、少なくともALPを年齢別基準で確認する価値はある。
乳歯は6歳前後から抜ける。
4歳未満で抜けたら異常寄り。
抜けた歯根が長いならHPP。
ALPは年齢基準で見る。
これだけでも、だいぶコスパのよい知識だと思う。
その他の小児領域で拾っておきたい口・歯関連のサイン
1. 乳歯早期脱落
今回のやつ。
4歳未満・外傷なし・歯根が長いまま脱落なら、低ホスファターゼ症を考えて、年齢別ALPを確認する。
歯だけの問題に見えて、代謝性骨疾患の入口になることがある。
2. 乳歯の萌出遅延
歯がなかなか生えてこない場合。
甲状腺機能低下、くる病、Down症、低栄養、全身発育遅延など。
ただし、「歯だけ遅い」と見るより、
発達、身長、体重、骨年齢、全身状態とセットで見るほうがよい。
3. エナメル質形成不全
乳歯でも永久歯でも、
白濁、黄褐色、欠けやすい、虫歯になりやすいなどで気づく。
早産、低出生体重、感染、栄養、遺伝性疾患が関連することがある。
「虫歯が多い」で片付けず、形成不全がないかを少し見る。
4. 歯肉出血・歯肉腫脹
多くは歯肉炎かもしれない。
一応、白血病、血小板減少、好中球減少、ビタミンC欠乏、薬剤性歯肉増殖なども頭に置く。
「歯磨きの問題」で終わらせてよいかどうかは、全身症状や血算とセットで考える。
5. 歯の変色
テトラサイクリン、外傷後、エナメル質形成異常、う蝕など。
鉄剤で黒っぽくなることもある。
歯の色は親が気にして相談してくることもあるので、原因の幅を知っておくと説明しやすい。
6. 口腔内潰瘍
アフタ、HSV、手足口病、ヘルパンギーナ、Behçet病、PFAPA、IBD、好中球減少など。
特に拾いたいのは、
繰り返す
深い
発熱が周期性
肛門病変がある
体重が増えない
全身状態が悪い
歯、口腔系もちゃんと知らんとなと思う


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