レイ・ブラッドベリの『華氏451度』を読んだ。
タイトルだけは昔から知っていたけど、ちゃんと読むのは初めて。
本を読むことが禁止された世界で、「本を燃やす」ことを仕事にする男が主人公。
いわゆるディストピア小説で、1953年に書かれた作品らしい。
最初は「焚書とか検閲をテーマにした小説なんやろな」と思って読み始めた。
もちろんそれも大きなテーマなんやけど、読んでみると、それだけではなかった。
むしろ印象に残ったのは、みんなが自分から考えることをやめていく社会だった。
家の壁いっぱいにあるテレビをずっと見て、そこに出てくる人たちを「家族」と呼ぶ。
耳にはいつも音が流れていて、静かに考える時間がほとんどない。
本が禁止されていること以上に、そもそも本なんて読みたくない、難しいことなんて考えたくない、という社会になっていることの方が怖い。
これが1953年に書かれている。
テレビをスマホやSNS、ショート動画に置き換えると、急に今の話みたいに見えてくる。
別にスマホやSNSが悪いという話ではない。自分も普通に使う。
ただ、暇な時間ができた瞬間にスマホを開いて、何かを見て、また次の何かを見る。
「何もしないで考える時間」って、昔よりかなり減ってるんちゃうかなと思った。
『華氏451度』は「本を燃やす恐ろしい未来の話」だと思っていたけど、読んでみると、本が燃やされる前に、人が本を必要としなくなることの方が怖いという話にも感じた。
70年以上前のSFなのに、思った以上に今っぽい。
おもろかった。


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