SSRIの中では、パキシル(パロキセチン)が一番使い勝手がいいと思っていた。
処方することは滅多にないのであるが・・・
理由は単純で、適応疾患が広いからだ。
パキシルは、うつ病・うつ状態だけでなく、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、PTSDにも保険適応がある。
実際、外来で遭遇する患者の精神症状は、必ずしもきれいに分類できるわけではないだろう
抑うつ症状があり、不安も強い。パニック発作のような症状を伴っていることもある。
そう考えると、幅広い適応を持つパキシルは便利な薬だと思っていた。
しかし、改めてSSRIを比較してみると、必ずしもそうではないらしい。
特に、うつ病の第一選択としてはレクサプロ(エスシタロプラム)がよく挙げられる。
これはパキシルより抗うつ効果が圧倒的に高いからではない。
むしろ、抗うつ効果はどちらも十分に期待できる。
違いは副作用と薬の扱いやすさにある。
パキシルは半減期が比較的短く、中止時に離脱症状が出やすい。
離脱は厄介よな
めまい、しびれ、電撃感などが問題になることがある。
また、CYP2D6を強く阻害するため、他の薬剤との相互作用にも注意が必要である。
体重増加や性機能障害も無視できない。
一方、レクサプロは比較的忍容性が良好で、薬物相互作用も少ない。ただし、QT延長などには注意が必要である。
ここで気づいたのは、適応疾患が広いことと、実際に使いやすいことは別問題だということだ。
非専門医にとって、薬を開始しやすいことは確かに重要である。
しかし、長期的に管理できるか、副作用に対応できるか、そして最終的に安全に減薬・中止できるかも同じくらい重要である。
特に精神科領域では、薬を始めること以上に、やめることが難しいと思われる
薬の使い勝手というのは、処方するときだけでなく、処方を終えるところまで考えて評価しないといけないなと改めてて思った


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