小児の「ケトン嘔吐(いわゆる自家中毒)」を考えていると、周期性嘔吐症(CVS)や片頭痛との関係が少しややこしい。
まず、片頭痛の体質=頭痛がある、ではない。
小児では片頭痛に関連する体質が、頭痛ではなく「周期的な嘔吐」や「腹痛」として現れることがある。
周期性嘔吐症や腹部片頭痛がその代表で、本人に頭痛がなくても、家族に片頭痛があったり、成長してから片頭痛を発症したりすることがある。
一方、ケトンについては少し別に考えた方が分かりやすい。
子どもは大人より糖の消費量が多く、グリコーゲンの蓄えが相対的に少ない。そのため、感染、疲労、睡眠不足、食事摂取不良などをきっかけに絶食状態になると、
糖質不足 → 脂肪分解 → ケトン体上昇
が起こりやすい。
さらに、
嘔吐 → 食べられない → ケトン上昇 → 悪心増悪 → さらに嘔吐
という悪循環にもなる。
したがって「嘔吐+尿ケトン陽性」を見たとき、必ずしも「ケトンが原因で吐いている」とは限らない。
周期性嘔吐症の発作が先にあり、その結果としてケトーシスが強くなっている可能性もある。
特に学童期になっても、毎回似たような激しい嘔吐発作を繰り返し、発作と発作の間は完全に元気という場合には、単なる「自家中毒」と考えるだけでなく、周期性嘔吐症という片頭痛スペクトラムを考えてみる。
整理すると、
片頭痛素因 → 嘔吐発作(CVS) → 摂取不良 → ケトーシス → 嘔吐をさらに増悪
という流れが一つの理解として分かりやすい。
「片頭痛」という名前なのに頭痛がなくてもよい、というところが一番ややこしい。
そもそも腹部片頭痛ってなんやねんと思う・・・


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