MMRワクチンが、日本で再び使われる流れになってきた。

MMRとは、麻しん、風しん、おたふくかぜをまとめて予防する三種混合ワクチンである。海外では標準的に使われている国も多いが、日本では長らく、麻しん風しん混合ワクチンであるMRワクチンが定期接種の中心で、おたふくかぜワクチンは任意接種のままだった。

ただ、日本でもMMRワクチンが初めて登場したわけではない。
1989年に定期接種として導入されていた時期がある。しかし、おたふくかぜワクチン株に関連した無菌性髄膜炎の発生が問題となり、1993年には接種が中止された。日本の予防接種史の中では、MMRは一度導入され、一度退いたワクチンでもある。

この経緯があるため、日本でMMRを語るときには、単に「便利な三種混合ワクチンが出た」という話だけでは済まない。

過去の副反応、制度上の判断、保護者の不安、そして医療者側の説明責任が重なっている。

もちろん、当時と株は違うし、安全性は高いと思われるが

一方で、おたふくかぜを任意接種のままにしておくことにも、当然ながら課題はある。

おたふくかぜは軽症のイメージを持たれやすいが、無菌性髄膜炎、精巣炎、卵巣炎、膵炎、そしてムンプス難聴といった合併症がある。

ワクチン政策は、感染症をどれだけ減らせるかという有効性だけで決まるものではない。

安全性、社会的受容、過去の経緯、接種体制、費用負担、そして保護者への説明のしやすさまで含めて設計される必要がある。

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