ガンマスクイーズってなんやねん、という話

ちょっと前に、株の世界で「ガンマスクイーズ」という言葉が話題になっていた。

なんとなく、株価が急に上がる現象なんやろうな、くらいには思っていたけど、正直ちゃんとは分かっていなかった。

ショートスクイーズはまだイメージしやすい。
空売りしていた人たちが、株価上昇に耐えきれずに買い戻す。
その買い戻しがさらに株価を押し上げる。
いわゆる踏み上げである。

ただ、ガンマスクイーズは少しややこしい。

コールオプションが大量に買われる。
すると、それを売った側がリスクを避けるために現物株を買う。
株価が上がると、さらにヘッジのための買いが必要になる。
その買いがまた株価を押し上げる。

つまり、株価が上がるから買われる。
買われるから、さらに株価が上がる。
その循環が、オプションの仕組みによって増幅されるということらしい。

……と書いてみたものの、まだ完全に理解できてない

そもそも「ガンマ」とは何なのか。
デルタヘッジとは何なのか。
マーケットメーカーは実際にどのタイミングでどれくらい現物を買うのか。

このあたりが分かっていないと、ガンマスクイーズという言葉だけ知っていても、結局は雰囲気で語っているだけになってしまう。

金融の言葉は、分かった気にさせる力が強い。
「スクイーズ」とか「ヘッジ」とか「オプション」とか、言葉だけ並べると、それっぽく聞こえるよな

自分の中では、まだ
「なんかオプションの影響で株価がさらに上がるやつ」
くらいの理解で止まっている。

これはあかん。

ということで、ガンマスクイーズについて、少し勉強してみようと思う。

世の中には、知っているようで知らない言葉が多い。
ガンマスクイーズも、その一つだった。

なんとなく分かった気になって終わらせず、ちゃんと勉強してみたいので

geminiにも聞くか

ガンマスクイーズ、言葉の響きはめちゃくちゃカッコいいですが、中身は数式とディーラーの悲鳴でできた、かなり泥臭いマネーゲームの世界ですよね。

「なんかオプションのせいで爆上げするやつ」という今の理解でも十分に本質を突いていますが、ここをカチッと立体的に理解すると、市場の裏側で起きている「マーケットメーカー(大口の取引業者)の強制労働」のメカニズムが見えてきて最高に面白いです。

なるべく数式を使わず、彼らの動きにフォーカスして「何が起きているのか」を解剖してみましょう。

登場人物は3人

  1. 個人投資家(仕掛け人):一獲千金を狙って「コールオプション(買う権利)」を大量に買う。
  2. マーケットメーカー(胴元):個人投資家にコールオプションを売る(引き受ける)役割。彼らはギャンブルをしたいわけではなく、手数料だけで儲けたい。
  3. 現物市場:実際の株が取引されている場所。

ステップ1:そもそも「デルタ」ってなに?

まず、個人投資家が「1カ月後に株価100ドルで買える権利(コールオプション)」をマーケットメーカーから買ったとします。

マーケットメーカーは、オプションを「売った」側なので、株価が200ドル、300ドルと爆上げすると大損してしまいます。ギャンブルをしたくない彼らは、損が出ないように現物株を買って保険(ヘッジ)をかけます。

じゃあ、何株買えばいいのか? その基準になるのが「デルタ」です。

  • 現在の株価が50ドル(目標の100ドルまで遠い)のとき: 「まあ、100ドルまでは上がらんやろ」ということで、デルタは 0.1 くらい。これは「株価が1ドル動いたら、オプションの価値は0.1ドル動く」という意味です。メーカーは保険として、現物を10株だけ買っておきます。
  • 現在の株価が100ドル(目標ぴったり)のとき: 「やばい、上がるか下がるか五分五分だ」となり、デルタは 0.5 になります。メーカーは保険を50株に増やさないといけません。
  • 現在の株価が150ドル(目標を突破)のとき: 「完全に権利行使されるわ」となり、デルタは 1.0(ほぼ現物と同じ動き)になります。メーカーは100株丸々抱え込んでおく必要があります。

ステップ2:じゃあ「ガンマ」ってなに?

ここで登場するのが「ガンマ」です。 ガンマとは、一言でいうと「株価が動いたときに、デルタ(必要な保険の量)がどれだけの『スピード』で変化するか」という加速係数です。

グラフにすると、株価が目標(100ドル)に近づくとき、デルタは「0.1 → 0.2 → 0.5 → 0.8」と、緩やかではなく、急激に跳ね上がります。 この「急激さ」の度合いがガンマです。目標価格の直前が、一番ガンマが大きくなります(加速が最大になる)。

ステップ3:これが「ガンマスクイーズ」の正体

さあ、お膳立ては揃いました。ここからスクイーズ(絞り込み・踏み上げ)が始まります。

  1. 仕掛け:SNSなどで結託した個人投資家が、特定の株のコールオプション(特に目標価格が今の株価より少し高いもの)を、ものすごい量買い漁ります。
  2. 初期ヘッジ:オプションを売ったマーケットメーカーは、ひとまず「デルタ」の分だけ現物株を買います。この買いで、実際に株価が少し上がります。
  3. 加速(ガンマの仕業):株価が上がって目標価格に近づくと、「ガンマ」のせいでデルタが急激に膨れ上がります。(さっきまで10株で足りていた保険を、急いで50株、80株に増やさなきゃいけない!)
  4. 強制連鎖:マーケットメーカーは、自分たちが売ったオプションのせいで株価が上がるたびに、「自動的かつ強制的に」さらに大量の現物株を買い増しさせられるループに突入します。

株価が上がる ↓ ガンマによって、必要なヘッジ量(デルタ)が爆発的に増える ↓ マーケットメーカーが涙目で現物株を買い漁る ↓ その買いで、さらに株価が上がる

これがガンマスクイーズです。 ショートスクイーズは「空売り筋のギブアップ(買い戻し)」ですが、ガンマスクイーズは「オプション業者による、リスク管理のための義務的な自動買いの連鎖」なんです。

分かった上でニュースを見ると……

これが分かると、数年前にアメリカで起きた「ゲームストップ(GME)株騒動」の裏側がよく見えます。 あのとき、個人投資家たちは現物株を買うだけでなく、あえて少額で大量に買えるコールオプションを買いまくることで、マーケットメーカーの資金を使って株価を吊り上げさせたのです。まさにレバレッジをかけた合法的なハッキングでした。

雰囲気が剥ぎ取られて、中身がスッキリ繋がったでしょうか? 金融用語、こうやって「誰がそのとき損をして、誰が強制的に動かされているか」で紐解くと、急に生々しくて面白くなりますよね。

結局よくわからんのである

コメント

タイトルとURLをコピーしました