結論
RR延長は所見の言い方、
pauseはその所見のうち、休止として扱うものの言い方
- RR延長 = R波とR波の間隔が長い
- pause = 長いRR間隔のうち、**“拍がしばらく出ていない休止”**として数えるもの
という関係
pause は ECG 上ではprolonged R-R intervalとして表現されます。
RR延長の定義
RR intervalは、連続する2つのR波の間隔です。
したがってRR延長とは、単純にそのR-R間隔が通常より長くなっていることを指します。
これは見たままの記述であって、病名ではありません。
原因は洞徐脈、洞停止、SA exit block、AV block、AF中の長い間隔、期外収縮後などいろいろあります。
pause の定義
review 論文では、“electrocardiographic pause” は ventricular depolarization が一時的に途切れた結果として見える prolonged R-R interval と説明されています。
つまり、pause は ECG 上では長いR-R間隔として見える、ということです。
なので実務的には、
pause は RR延長の一部
と考えるのがわかりやすいです。
ガイドライン上の “sinus pause” の定義
2018 ACC/AHA/HRS 徐脈ガイドラインでは、sinus pause は
「最後の心房脱分極の後、洞結節の脱分極が 3 秒を超えて遅れること」
と定義されています。さらに、pause >3秒だけで直ちに洞不全と診断してはいけないとも書かれています。
同じガイドラインでは、
- sinus pause = 洞結節の脱分極が3秒を超えて遅れる
- sinus node arrest = 洞結節の脱分極そのものの証拠がない
- sinoatrial exit block = 洞結節から心房への伝導がブロックされる
と整理されています。
じゃあ違いは何か
一番大事なのはここです。
RR延長
- 単なる計測・記述
- 「R-Rが長い」と言っているだけ
- 原因はまだ決まっていない
pause
- 臨床的に“休止”として扱う表現
- 多くのHolterや文献では一定以上長いR-Rを pause として別に数える
- ただし閾値は機械や文脈で異なる
たとえばHolter機器のマニュアルでは、pause を R-R >2.00秒として数えるものがあります。
一方、ガイドラインのsinus pauseは3秒超です。
Holterの“pause”表示とガイドライン上の“sinus pause”は完全に同義ではないことがあります。
Holterでの読み方
だから Holter で
- RR延長 100回
- pause 24回
と書いてあれば、ふつうは
長いR-Rは100回あったが、そのうち pause の閾値を超えたものが24回
という意味で読むのが自然です。
実際の見分け方
ECGやHolterで本当に大事なのは、何が抜けているかです。
- P波ごと消える → sinus pause / sinus arrest / SA exit block を考える
- P波は出ているのにQRSが落ちる → AV block を考える
- AF中で不規則に長いRR → pause様に見えても機序は別
この区別は、単に「RRが長い」だけではつきません。P波と規則性を見る必要があります。
ひとことでまとめると
RR延長 = 見た目の所見
pause = その中で、休止として数える長い間隔
sinus pause = そのうち洞結節由来で、ガイドライン上は3秒超とされる


コメント