片頭痛と鼻閉の関係を考えてみる

以前から、「鼻が詰まっている時は片頭痛が起こりやすい気がする」と感じていた。

一般に片頭痛では、三叉神経系が活性化するとCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などが放出され、痛みの伝達が増強すると考えられている。

ところが調べてみると、片頭痛と鼻閉の関係は意外と複雑で、どうも一方向ではないらしい。

まず、

片頭痛 → 鼻閉

という方向。

片頭痛では、三叉神経の活性化に伴って「三叉神経-自律神経反射」が働き、鼻粘膜の血管拡張や分泌が起こることがある。そのため、片頭痛発作に鼻閉、鼻汁、流涙などが伴うことは珍しくない。

実際、片頭痛患者ではこうした「頭部自律神経症状(cranial autonomic symptoms)」がしばしば認められ、鼻閉もその代表的な症状の一つである。

つまり、

片頭痛発作 → 三叉神経系の活性化 → 自律神経反射 → 鼻閉

という流れは十分に考えられる。

一方で、自分が感じていたのはむしろ逆だった。

鼻が詰まっている → その後、片頭痛が起こる

という感覚である。

こちらも、まったく根拠がないわけではなさそうだ。

鼻粘膜には三叉神経が豊富に分布している。鼻炎などで鼻粘膜に炎症や刺激が起これば、鼻腔の三叉神経系にも影響する可能性がある。鼻炎と三叉神経系との関係自体は以前から研究されている。

さらに疫学的にも、アレルギー性鼻炎のある人では片頭痛が多いことが報告されている。2026年のメタ解析では、アレルギー性鼻炎と片頭痛には有意な関連が認められた。ただし研究間のばらつきも非常に大きく、これだけで「鼻炎が片頭痛を起こす」と証明されたわけではない。

したがって、

鼻炎・鼻粘膜への刺激 → 三叉神経系の感作 → 片頭痛を起こす閾値が下がる

という逆方向の流れも仮説としては考えられる。

面白いのは、両者の間に三叉神経という共通の経路が存在することである。

片頭痛が起これば鼻が詰まりやすくなり、鼻炎や鼻粘膜への刺激が強ければ片頭痛が起こりやすくなる。

もしかすると、

片頭痛 ⇄ 三叉神経・自律神経系 ⇄ 鼻閉

という双方向の関係なのかもしれない。

もちろん現時点では、「鼻閉そのものが片頭痛を引き起こす」という因果関係が確立されているわけではない。鼻閉の背景にはアレルギー性鼻炎、感染、睡眠の質の低下などさまざまな要素も絡んでくる。

それでも、自分が感じていた「鼻が詰まっている日は片頭痛が起こりやすい」という感覚には、ある程度生理学的な説明がつく可能性はありそうだ。

今度片頭痛が起こった時には、頭痛だけでなく、その前から鼻が詰まっていなかったかも少し気にしてみようと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました