では、酒をほとんど飲まない国では膵癌発生率はどうなのか?

GLOBOCAN 2022の年齢調整膵癌罹患率を見ると、膵癌は世界で均等に発生しているわけではない。

日本は世界的にもかなり高い。

一方、宗教的・文化的に飲酒が強く制限されているイスラム圏では低い国が多い。

代表的な国を並べると、おおむね次のようになる。

chatGPTとGeminiで確認しているから、そう外れてないと思うことが前提

膵癌の年齢調整罹患率
(人口10万人あたり)

日本      約9.8
アメリカ    約8
イギリス    約7
韓国      約7~8

パレスチナ   4.6
イラン     3.9
ヨルダン    3.8
クウェート   3.3
イラク     3.2
バーレーン   2.8
アフガニスタン 1.9

つまり大まかに見ると、

日本 > 欧米・韓国 > 飲酒の非常に少ないイスラム圏

という分布になっている。

もちろん、これだけを見て

「酒が膵癌の原因だ」

というのうは少々乱暴である

国によって喫煙率、肥満、糖尿病、食生活、遺伝的背景、HDI、医療へのアクセス、CTなどによる診断機会、癌登録の精度などがまったく違う。

実際、膵癌は高HDI国ほど多く、GLOBOCANでは高HDI地域と低HDI地域で罹患率に約4倍の差がある。

それでも、この地理的な差は興味深いなと思った

生涯禁酒者にも膵癌は発生する。

だから、

アルコール=膵癌の必要条件

ではない。

しかし一方で、飲酒が極めて少ない地域では膵癌そのものが少なく、大規模コホートでは飲酒量が増えるにつれて膵癌リスクが上昇する。

だとすると、自分にはやはりこんなモデルがしっくりくる。

加齢・自然発生する遺伝子変異など

baselineの膵発癌リスク

長期間のアルコール曝露

subclinicalな膵障害の反復

炎症・修復・線維化

発癌過程を促進

膵癌

そして、もう一つ重要なのは個体差だと思う。

同じ量の酒を飲んでも慢性膵炎になる人はごく一部である。

ということは、臨床的な慢性膵炎にならないレベルでも、

「アルコールによって膵臓が傷害されやすい人」

「ほとんど傷害されない人」

がいるのではないだろうか。

そうだとすれば、膵癌リスクを考えるうえで本当に知りたいのは、

「一日に何gのアルコールを飲んだか」

ではなく、

「その人の膵臓が何十年間にどれだけアルコールによる傷害を受けたか」

しかし定量化は量でしかできんのよな

International Agency for Research on Cancer. Global Cancer Observatory: GLOBOCAN 2022.

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