片頭痛の薬というと、これまでは「痛くなったら飲む薬」というイメージが強かった。
ロキソニン、アセトアミノフェン、トリプタン。もちろん発作時の薬は今でも大事である。ただ最近は、片頭痛を「起こってから止める」だけではなく、「そもそも起こる日を減らす」という治療が出てきている。
その一つが、アジョビという薬である。
アジョビは商品名で、一般名はフレマネズマブ。
抗CGRP抗体薬と呼ばれる片頭痛の予防薬である。CGRPは片頭痛の発作に関係する物質で、アジョビはこのCGRPに結合して作用を抑える。つまり、今ある頭痛を止める薬ではなく、片頭痛の発作回数や頭痛日数を減らすための薬である。
使い方も特徴的で、毎日飲む薬ではない。成人では、4週間に1回225mgを皮下注射する方法と、12週間に1回675mgを皮下注射する方法がある。月1回か、3か月に1回の注射で片頭痛を予防するというのは、なかなか時代が変わった感じがする。
日本でも保険収載されている。
ただし、誰にでも気軽に使う薬というわけではない。片頭痛発作が月に複数回以上ある人、あるいは慢性片頭痛の人で、急性期治療だけでは日常生活に支障が残る場合に考える薬である。
値段もそれなりに高い。薬価は1本あたり約3.9万円。
髙い
3割負担でも月1回投与なら薬剤費だけで月1万円を超える。3か月に1回投与の場合も、3本分をまとめて使うので、月あたりの負担感は大きくは変わらない。
副作用として多いのは、注射した場所の赤み、痛み、かゆみ、腫れ、しこりなどである。内服薬のような眠気や胃荒れというより、注射部位反応が中心になる。まれに発疹やじんま疹などの過敏症には注意が必要である。
片頭痛は、命に関わる病気ではないと思われがちである。しかし実際には、生活の質を大きく下げる。仕事、家事、育児、勉強、予定。発作が来るたびに、その日の生活が止まってしまう人もいる。
片頭痛が極めて重度な方には、必要だとはもう
そう考えると、アジョビのような薬は、単なる頭痛薬というより「生活を取り戻すための予防薬」と言えるのかもしれない。
一方で、値段は高いし、注射であるし、誰にでも使う薬ではない・・・


コメント