牛乳の成長神話を考えてみる――「プロテインとしての牛乳」

「牛乳を飲むと背が伸びる」

昔からよく言われてきた言葉である。
でも、これをそのまま信じていいかというと、少し違う

牛乳を飲めば、誰でも遺伝的な限界を超えて身長が伸びるわけではない。
また、牛乳の中のカルシウムが直接身長を伸ばしている、という説明もどうかと思っている

カルシウムは、骨を硬くする、骨量を保つ、骨を丈夫にするという意味では重要です。
しかし、骨を「縦に伸ばす」主役ではない。

では、あるとすれば牛乳の何が成長に関係するのか?
牛乳は“液体のプロテイン”だった
という見方をしてみる

牛乳には、100mLあたり約3.3gのタンパク質が含まれる

200mLなら約6〜7g。
500mLなら約16〜17g。
朝200mL、夜200mL、さらに学校給食で200mL飲めば、1日600mL。
これだけで、タンパク質は約20g。

これは子どもにとってかなり大きい量と思う
卵ならおよそ3個分。
肉や魚なら90〜100g分くらいに近いタンパク質量。


成長期の子どもにとっては、毎日手軽に摂れるタンパク質とエネルギーの補給源になりうる

特に、肉・魚・卵をあまり食べない子、小食の子、朝食が少ない子、痩せ気味の子にとっては、牛乳の意味は大きかったのでは?

昔の日本人も、大豆や魚、米からタンパク質を摂っていた。
決してタンパク質ゼロだったわけではない

ただし、肉、卵、乳製品の摂取量は今より少なく、食事は米中心。そこに学校給食などで牛乳が毎日入るようになった。

これは、成長期の子どもたちにとって、かなり安定した動物性タンパク質の供給だったのでは?

だから、
「牛乳で背が伸びる」
という言葉の正体は、

カルシウムで身長が伸びた
というより、タンパク質やエネルギーが不足しがちな子どもに、牛乳が栄養を補っていた
ということであれば、ちょっと納得する

タンパク質は身長に関与するのか?

骨の材料にもなるし、成長ホルモンやIGF-1という成長に関わる仕組みにも関係する。
栄養が足りていないと、成長ホルモンがあっても十分に身長が伸びにくい。

その意味で、牛乳は成長を支える食品である。

その観点で行くと、すでに肉・魚・卵・大豆をしっかり食べていて、体重も十分な子に、さらに牛乳をたくさん飲ませても、身長がどんどん伸びるわけではなさそう。

つまり、

不足している子には、牛乳は成長の助けになる。
足りている子には、牛乳を増やしても身長効果は限定的、というのは現実的な理解か?

身長を伸ばすために大切なのは、

十分なエネルギー。
十分なタンパク質。
睡眠。
運動。
慢性疾患がないこと。
思春期のタイミング。
そして遺伝。target heightはだいたい決まっている

牛乳を飲めば背が伸びる

これは完全な嘘ではない。でも、正確でもない。

より正しく言うなら、

牛乳は、成長期の栄養不足を補いやすいタンパク質の1つの供給源であり、身長に寄与する可能性がある、だろうか

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