1億円をこえるゾルゲンスマとAAV9抗体

ゾルゲンスマという薬がある。

最近、高すぎて話題である

個人的には名前の響きが好きである

そもそも何語なんっていつも思う

脊髄性筋萎縮症、SMAに対する遺伝子治療薬で、ニュースでは「1億円を超える薬」として取り上げられることがある。

実際、日本での薬価は1億円をはるかに超える。

普通の感覚では、薬ひとつにそんな値段がつくこと自体が信じられないが、特許や製剤までの過程の値段なのであろう

ただ、日本では保険や小児慢性特定疾病の制度があるため、患者さんの家族がその金額をそのまま払うわけではない。

ここは日本の医療制度のすごいところと、諸外国に比べてもすごいと思う

一方で、国全体としては、1人の治療にそれだけの医療費が使われるということでもある。

ゾルゲンスマは基本的に1回投与の薬である。

1回の投与で、正常なSMN1遺伝子を体内に届ける。

これによって、SMAの進行を大きく変える可能性がある。まさに現代医療の象徴のような薬だと思う。

みんな金額に夢中だったので、効果とかを調べておく

ゾルゲンスマには、遺伝子を体内に運ぶための“運び屋”が使われている。

それがAAV9、adeno-associated virus serotype 9というウイルスベクターである。

病原性を弱くしたウイルスを利用して、治療に必要な遺伝子を細胞まで届ける。

ここで問題になるのが、抗AAV9抗体である。

聞いたことない

簡単に言うと、抗AAV9抗体とは、ゾルゲンスマの“運び屋ウイルス”に対する中和抗体である。

体の中にこの抗体が多いと、AAV9ベクターが中和されてしまう。つまり、せっかく正常なSMN1遺伝子を運ぼうとしても、運び屋の段階で邪魔されてしまう可能性がある。

抗AAV9抗体が高い
→ AAV9ベクターが中和される
→ SMN1遺伝子が細胞に届きにくくなる
→ 治療効果が落ちる可能性がある

だから、ゾルゲンスマを投与する前には、通常この抗AAV9抗体を調べるらしい

抗体が陰性、あるいは低値であれば投与しやすい。
一方で、抗体が高い場合は、投与を延期したり、再検査を考えたりすることになる、らしい

そもそも、AAV9は、adeno-associated virus serotype 9 の略で、自然界にもいる小さなウイルスの一種。

ポイントは、ゾルゲンスマの中身は大きく分けると、

外側:AAV9の殻
内側:治療用のSMN1遺伝子

AAV9が有名になった理由は、静脈投与でもBBBを越えて中枢神経系に遺伝子導入できることが動物実験で示されたからです。

特に2009年のFoustらの報告では、AAV9を静注するとBBBを越えてCNS細胞に導入され、新生仔では主にニューロン、成体では主にアストロサイトに導入されることが示されました

薬剤の値段からは、知識広がったかな

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