食物アレルギーといえば、鶏卵、牛乳、小麦。
長い間、そんなイメージだった。
ところが、いつの間にか、その勢力図が変わっていた。
くるみである。
しかも、少し増えたという話ではない。
消費者庁が実施している即時型食物アレルギーの全国実態調査では、2023年の調査で、くるみは原因食物全体の15.2%を占めていた。
品目別では、鶏卵の26.7%に次いで第2位である。
つまり、くるみは牛乳や小麦を抜いていたのである。
これはなかなか衝撃的である。
昔の感覚のままだと、食物アレルギーは「卵、牛乳、小麦」の順番で考えてしまう。
しかし、最新の実態としては、少なくとも即時型食物アレルギーの報告では、
鶏卵、くるみ、牛乳、小麦。
そういう順番になっている。
くるみは、もはや「ナッツ類もたまにあるよね」という脇役ではない。
食物アレルギーの主役級にまで上がってきている。
この変化には、食生活の変化も関係しているのだろう。
ナッツは健康にいい。
良質な脂質がある。
抗酸化作用がある。
おやつにもいい。
そういう健康的なイメージもあって、くるみは以前よりずっと身近になった。
パン、焼き菓子、チョコレート、グラノーラ、サラダ、ミックスナッツ。
気づけば、いろいろな食品にくるみが入っている。
食べる機会が増えれば、アレルギーとして見つかる機会も増える。
もちろん、それだけで説明できるほど単純ではないのだろうが、少なくとも、くるみが以前より日常に入り込んできたことは間違いない。
そして、この増加を受けて、くるみはアレルギー表示の義務対象にも追加された。
これまで「表示推奨」だったものが、「表示しなければならない食品」になったのである。
これは、社会としてもくるみアレルギーを無視できなくなった、ということだと思う。
食物アレルギーの常識は、いつの間にか変わっていた。
卵、牛乳、小麦の時代から、
卵、くるみ、牛乳、小麦の時代へ。
くるみは、知らない間に第2位まで上がってきていたのである。
アレルギーの世界も、時代とともに変わる。
自分の中の「昔の常識」も、ときどき更新しないといけないと行けない
日々、他科の知識も仕入れないといけないと感じている


コメント