Race war(人種戦争)を読んで

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海外の著者による Race war(人種戦争)の本を読みました

第二次世界大戦を有色人種と白人との人種間の戦争である、との視点から見直した本になっております

その視点はなかったので、非常に興味深いです           

そもそも国際連盟は、当初日本の人種差別撤廃を否定しているところも重要ですね

1919年、パリ講和会議において、日本は国際連盟規約の草案に「人種的平等の原則」を盛り込むことを提案しました

これは、人種や国籍による差別をなくし、すべての国民が平等に扱われるべきだという考えに基づくものでした。

日本が提出した提案の主なポイントは、

  • 国際連盟加盟国は、自国民および外国人に対して人種や国籍による差別をしない
  • すべての国民が平等に扱われるべきである

というものでした。

この提案に対し、特にイギリス、オーストラリア、アメリカが強く反対しています

  • オーストラリアは「白豪主義(White Australia Policy)」を掲げており、アジア系移民の流入を防ぎたいと考えていた。
  • イギリスは広大な植民地を支配しており、人種平等の原則が帝国支配を揺るがす可能性があった。
  • アメリカはアジア系移民(特に日本人や中国人)に対する差別的な移民政策を維持したいのと黒人問題があった

この前提を認識することは極めて重要と思われます

大陸での日英間での動き、出来事も多く描かれております

日本では太平洋における対米の歴史ばかり目につくので、対英でもあったとより感じられる作品です

特に[日本人が有色人種の頂点であった]というワードにハッとさせらました

そんなん言い過ぎと、現代では思ってしまいますが

当時の背景を考えると、強国としてはイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、アメリカ、日本、中国でありました

東南アジアは、イギリスが主に植民地にしており、アメリカはフィリピンのみという状況

アメリカ自体は本土の黒人への差別がまだ色濃く残っている時代です

主に世界は白人によって席巻されているのは事実であり、有色人種として対抗できたのは日本だけであったと思います

中国はイギリス含め、列強の影響力は非常に高かったからです

奢りでもない表現と思われます

気になった箇所を見ていきます

白魔と黄禍という表現

白魔と黄禍という表現は初めて聞きましたね

chatGPT曰く

1. 黄禍(Yellow Peril)とは?

黄禍(Yellow Peril) は、西洋社会がアジア人(特に中国人や日本人)の台頭を恐れた際に使われた人種的なプロパガンダの一つです。

起源

  • 19世紀末から20世紀初頭、西洋諸国(特にアメリカやドイツ、イギリス、フランス)は、日本や中国などアジア諸国の台頭を脅威と見なすようになりました。
  • カイゼル・ヴィルヘルム2世(ドイツ皇帝)が提唱し、ヨーロッパの白人社会に対して「アジア人が西洋を脅かす」という警戒を促しました。

背景

  • 中国人労働者の移民問題(アメリカ、カナダ、オーストラリア):安価な労働力として移民した中国人が、現地の白人労働者の職を奪うという不安を煽られた。
  • 日露戦争(1904-1905年):日本がロシアに勝利したことで、西洋諸国は「日本がアジアのリーダーとなり、白人社会に対抗するのでは?」という恐怖を抱いた。
  • 第二次世界大戦(特に太平洋戦争):日本の拡張主義が「黄禍」のプロパガンダとして利用され、アメリカでは日本人を「非人間的な敵」と見なす戦時プロパガンダが行われた。

影響

  • 日本人・中国人への人種差別が強まり、戦時中は日系アメリカ人の強制収容などにもつながった。

2. 白魔(White Peril)とは?

「白魔(White Peril)」は、主にアジア側の視点から見た西洋帝国主義の脅威を指す言葉です。

概念

  • 「黄禍」に対するアジア側の反応として生まれた言葉
  • 欧米諸国(イギリス、フランス、アメリカ、ロシアなど)がアジアを植民地支配し、経済的・文化的に支配することをアジアの人々が「白い悪魔」として認識するようになった。
  • 「白人による略奪や支配の恐怖」として、中国、日本、インドなどの知識人の間で使われることがあった。

背景

  • アヘン戦争(1840-1842年):イギリスが中国にアヘンを売りつけ、清朝を軍事的に圧倒したことで、西洋帝国主義の脅威が浮き彫りになった。
  • 香港、上海などの租界:西洋諸国が中国の都市を半植民地化し、中国人を差別的に扱った。
  • インドの植民地支配:イギリスがインドを統治し、インド人を二級市民として扱ったことも「白魔」として批判された。
  • 太平洋戦争前の日本のスローガン:「大東亜共栄圏」も、「白魔(西洋帝国主義)からアジアを解放する」という大義名分で掲げられた。

影響

  • 日本のナショナリズムの台頭:「白人帝国主義に対抗する」という意識が強まり、日清戦争(1894-1895年)や日露戦争(1904-1905年)を通じて日本が西洋列強と対抗する意識を持つようになった。
  • 中国の民族運動:「反帝国主義」を掲げる孫文や毛沢東らの革命運動に影響を与えた。
  • インド独立運動:「白魔=イギリスからの解放」として、ガンディーらの反英運動が強まった。

白魔と黄禍の表現って、日本の歴史書見てもあんまり書いてないんですよね

ユーラシアンについて

ユーラシアンのことについては全く知らなかった

過去の香港におけるユーラシアン(Eurasian)とは、ヨーロッパ系(主にイギリス人)と中国系の混血の人々を指します。

当時のイギリス社会では「純粋な白人でなければ特権階級には入れない」という価値観が強かったため、ユーラシアンの立場は非常に不安定であったと知られています

chatGPT曰く

(1)イギリス社会からの差別

イギリス人と中国人の混血であっても、「白人」としては扱われず、イギリス社会の特権には入れなかった

教育や公職においても、純粋なイギリス人とは異なる扱いを受けた

高級官僚や軍職などはほぼイギリス人が独占し、ユーラシアンは「中間層」程度の職にしか就けなかった。

(2)中国系社会からの距離

一方で、中国社会からも「西洋の血が混じっている」と見なされ、完全に受け入れられることは少なかった。

(3)社会的アイデンティティの問題

香港に住むユーラシアンは、イギリス社会にも中国社会にも完全に属せず、どちらの文化にも属さない中間的な存在として悩みを抱える人が多かった。

一部のユーラシアンはイギリス国籍を取得し、本国へ移住する道を選んだが、イギリス本国でも差別を受けることがあった。

日本占領時代(1941-1945年)の変化

日本軍が香港を占領すると、白人系住民(イギリス人やフランス人など)は弾圧の対象になったが、ユーラシアンは立場が変わった

  • 一部のユーラシアンは「西洋人ではない」と見なされ、日本軍から比較的穏やかな扱いを受けた。
  • しかし、日本軍は徹底した「日本優位の政策」をとっていたため、完全に信頼されたわけではなく、監視下に置かれることもあった

とのことです

これは本書も大体一致していると思います

香港での中国人と日本人インド人との連帯でのイギリス排斥

本書では、多くの香港人の方やインド人がイギリス軍排斥のために日本に協力したとされております

多くの香港人の生活が変わり、要職にも就けるようになってきたとされています

一方、日本の白人と現地人に分けた収容所でのやり方は、現地のイギリスの方とはそれまでと全く違う生活を強いることであり、辛酸を舐めたと思われます

以下はchat GPTでの香港への日本軍の侵攻の影響を聞きました

第二次世界大戦中の香港では、日本軍の侵攻に対して中国系住民の反応は分かれていました

一部の協力者もいましたが、大多数は日本軍に抵抗し、イギリスや中国国民党(さらには共産党)の側についていました。

日本の占領統治(1941~1945年)は過酷で、多くの香港市民が飢餓や暴力に苦しみました。特に、イギリス系住民や反日的な中国人は弾圧を受け、多くの人がマカオや中国本土へ逃げました

香港全体としては、日本軍の侵攻に積極的に協力したわけではなく、むしろ多くの住民が抵抗し、苦しんでいました。一部の協力者はいたものの、一般的には日本の統治は歓迎されず、香港市民の多くはイギリス統治の方を比較的マシと考えていたと言えます。

とのことです

イギリス統治下で良い思いをしていた方は抵抗すると思いますし、反対に人種差別に苦しんでいた方は協力すると思いますので、意見の相違はあり得ると思います

ユーラシアンの例で見ると、占領下よりは優遇されているように思います

まとめ

改めて本書を読むと、当時の人種差別というのは色濃かったのだろうと推察されます

大東亜戦争の意味、アジアにおいては対英の意識の方が明らかに強いと感じました

戦争後も東南アジアの植民地からの独立に繋がり、影響を与えたのは間違いないと思われます

白人優越の世界を変化させたというのは歴史から見ると大きな変換点です

他にも、その時の日本人とアメリカ人の黒人の扇動やイスラム教徒の扇動などにも記載されており、非常に学びの多い本であった思います

その時のアメリカ本土の黒人への影響など聞いたこともなかったからです

海外著者が書いている視点であり、翻訳であるものの、明らかに日本贔屓とも言えないところに本書の価値があると考えます

教科書だけでは、この人種間戦争であった、という視点はなかなか得られないと思われます

中学生ー高校生くらいなら読めそうですので、一般的な教科書ともに読めば学びにつながると思います

以上参考になれば幸いです

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