見た目だけで敬遠するのはもったいない
以下はネタバレも含みます
かつて『ニューガンダム』や『ゴッドガンダム』のような王道の格好良さが好きだった私は、正直「ヒゲのガンダム」を初めて見たとき、見た目で一歩引いてしまった
あの特徴的なヒゲ状のフェイスデザインは、若い当時の自分にとって異質すぎたのだ
あんまりカッコよくないやん・・・
それまでのガンダムシリーズの主人公機はスタイリッシュでカッコ良かった
ジークアクスを機に過去のガンダムシリーズを見返している人も多いと思うが、私もその一人で、暇な時にガンダムシリーズを見ている
大人になってから改めて視聴してみると、その第一印象がいかに浅かったかを思い知らされる
∀ガンダムは単なる異端児ではなく、日本が世界に誇るべきアニメ文化の到達点のひとつと感じた
宇宙世紀を含む全てのガンダム世界を包摂する“黒歴史”という壮大な物語を象徴している。
第一印象だけで避けてしまうのは、作品の奥深さを見逃すことになる
自分の子どももガンダムシリーズを見るなら、この作品を見てほしいと感じたので感想を記載する
ちなみに∀の文字

文字をAIにさせても制作できなかった
VになるかAになるか
反転させることはできなかったので自分で反転させた
この文字の認識が難しいらしい
またターンAをchatGPTに描いてもらった

髭は伝わるし、まぁまぁ近い
これはgrokだが、ただのガンダムもどきになった

多様性を先取りした主人公像とキャラクターの魅力
主人公ロラン・セアックの褐色の肌は、当時のアニメとしてはかなり先進的である。
ふしぎの海のナディア以来ともいえる肌色のキャラクターを主人公に据えている
現在では「多様性」「ポリコレ」という言葉が日常的に語られるが、ターンAは1999年当時、既にその先を3周くらい早く走っていたと言える
Vガンダムでもシャクティとかは褐色であり、その頃から多様性を意識しているのだろうか、あくまでサブキャラクターであったが
あの時代のアニメ、映画の中でも異質と言える
入れ替わり劇の意外性
ディアナとキエルの入れ替わりが秀逸である
王道ロボットアニメの枠を超えた入れ替わり劇が、ターンAのドラマをさらに面白くしている
地球と月の住んでいるところは別の瓜二つの二人が変わってお互いがお互いを理解しなりきり物語が進んでいく
非常に面白かった
さらに最後も月と地球で入れ替わることになる
地球で余生を過ごすディアナ様のシーンも良かった
生きるとは何かを考えさせられる
現代のルッキズムとポリコレから見たターンAガンダム
もしルッキズムとポリコレという現在の観点から見てみたら・・・?
最近非常に声が大きくなってるからね
“ヒゲ”デザインが突きつけるルッキズムへの違和感
ターンAガンダムの象徴ともいえる「ヒゲ」フェイスは、初見では“カッコよくない”という理由で敬遠されがちと思う
しかしこのデザインこそが、外見的「かっこよさ」に価値を置く現代のルッキズムへのアンチテーゼになっているとも思える
“強くて美しいガンダム像”をあえて崩し、「見た目が全てではない」というメッセージを無言で放っていると言える。
2. 同性愛?
主人公ロラン・セアックは褐色肌で、1999年当時としては珍しい主人公像であることは前述した
作中ではグエン卿がロランのことを執拗にローラという。
なんでや?
一回女装させているのもあるが、最後の方のリリ嬢とのやり取りのセリフで
ローラを愛しているのであれば・・・のセリフの後に
スカートを履きながらは産業革命はできない
ローラのことを求めていそうであり、スカートを本当は履きたい表現のようにも見え、同性愛?を疑うやり取りであった。
このシーンで初めてずっとローラ、ローラって言ってる意味がわかった気がする
同性愛描写をぶっ込んでいる、あの年代のアニメにそんなんないと思う
ルッキズムとポリコレを意識していた・・・?www
懐かしいロボット:ザクとカプールの可愛さ
重厚なテーマが続く中で、コミカルで愛嬌たっぷりのサポートメカカプールが
物語に癒やしとアクセントを添えている
ハードなストーリーに柔らかい余韻を与える存在として、視聴後も強く印象に残る。
ザク=ボルジャーノンも良い
核戦争と人の争いの不毛さ
∀ガンダムの物語全体を貫く大きなテーマのひとつが、核戦争を含む人類の争いの不毛さです。
「黒歴史」と呼ばれる過去の大破壊は、文明の頂点にあった人類が自らを滅ぼした証として描かれています。
- 黒歴史の教訓
かつての高度文明は核兵器をはじめとする大量破壊兵器によって崩壊し、地球と月は長く分断された。その記録は封印され、人々は自らの過ちを忘れて同じ道をたどろうとします。 - 再現される対立
人類が過去の愚行から学ばず、同じ争いを繰り返す性を象徴している
現在においても世界では戦火をみる場所がありことを踏まえると、非常に大事なテーマである
まとめ:大人になってこそ味わえる作品ではないか
かつて見た目で敬遠していた人ほど、大人になって色々経験してターンAガンダムを観ると感想変わってくるのでは?
しかし若い時に見ても、あんまり面白くないっていう感想を自分は持っていたと思う
見た目は髭生えてるけど、作中で見るとなかなかかっこいいのである
ガンダムガンダムしておらず、そこまで血生臭くもなく、全体的に綺麗にまとまっている
ターンXのデザインも結構良い
ガンダムシリーズで自機の胴体や手足そのものを分離して独立攻撃するのはターンXだけちゃうかな
最終話も美しく、おすすめの作品です
以上参考になれば幸いです
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