私は歯磨きを一日3回する派なのですが、私の家族は歯磨きがあんまり好きじゃないです
朝に歯磨きしないと口の中が気持ち悪いのですが、気にならない人もいるみたいですね
これは習慣かなと思いますが、口腔内の清潔さは様々な感染症や疾患との関連があるので清潔に越したことはない
さて、胃がんとピロリが関係しているっていうのは結構前から言われていて、除菌しようね、と大々的に言われていました
今もピロリ菌除去については継続されていると思います
今回は口腔内のStreptococcus anginosusが胃がんに関係している可能性を考え、動物で実験した論文を見たので、気になったので調べました
その前にStreptococcus anginosusを調べてみます
Streptococcus anginosusとは
Streptococcus属に属する細菌の一種です
この細菌は、正常な口腔、消化管、および尿生殖管のフローラの一部であり、通常は無害です
特定の状況下では感染症を引き起こすことがあります
S. anginosusは特に、膿瘍(膿の溜まり)を形成しやすいことで知られています
具体的な特徴としては以下の通りです:
グラム陽性細菌:染色によって紫色に染まることからグラム陽性と分類されます。
球菌:形状は球形です。
微好気性:酸素が少ない環境でよく増殖しますが、完全な嫌気性環境でも増殖できます
膿瘍形成:肝膿瘍、脳膿瘍、腹腔内膿瘍などを引き起こすことがあります
感染症:重篤な感染症を引き起こすことがあり、特に免疫力が低下している患者ではリスクが高くなります。
Streptococcus anginosusと胃がんの関係
Streptococcus anginosusと胃がんとの関連を調べる研究が進んでいます。
これらの研究によると、S. anginosusが胃の炎症を引き起こし、これが長期間にわたると胃がんのリスクを高める可能性があることが示されています。
- 胃の炎症とがん:
- S. anginosusは、胃の粘膜に感染して軽度から中等度の胃炎を引き起こします。長期感染により、持続的な胃の炎症が観察され、これが慢性的な胃炎に発展し、がんリスクが高まる可能性があります
- がん細胞の成長促進:
- マウスを使った実験では、S. anginosus感染が胃がん細胞の成長を促進し、腫瘍の大きさと重量を増加させることが確認されました。特定のタンパク質がこのプロセスに関与しており、S. anginosusが胃の細胞に結合して炎症を引き起こすことがわかりました
Streptococcus anginosus promotes gastric inflammation, atrophy, and tumorigenesis in mice という論文に書かれています
これはあくまでも動物実験ですが
- 共感染の影響:
- ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)との共感染により、胃の慢性的な炎症がさらに増強され、がんのリスクが倍増することが報告されています
- H. pyloriとの違い:H. pyloriも胃がんの主要な原因として知られていますが、全てのH. pylori感染者が胃がんを発症するわけではありません。実際、H. pylori感染者の1〜3%しか胃がんを発症しないことがわかっています。これに対し、S. anginosusはH. pyloriとは異なるメカニズムで胃がんのリスクを高めることが示されています
予防策:S. anginosusは口腔内に常在するため、適切な口腔ケアが予防に有効です。定期的な歯磨きやフロスの使用、そして定期的な歯科検診が推奨されます。また、健康的な食生活や安全な飲料水の確保も重要です。
最新の治療法:現在、S. anginosusを標的とした治療法が研究されています。例えば、特定の抗生物質やプロバイオティクスの使用が効果的である可能性があると言われています
虫歯とStreptococcus anginosusの関係
- 主要な虫歯菌ではない:虫歯の主な原因菌はミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)であり、これは糖を発酵して酸を産生し、歯のエナメル質を脱灰して虫歯を引き起こします
- S. anginosusの役割:S. anginosusも口腔内に存在し、歯周病や膿瘍の形成に関与することがありますが、直接的に虫歯の主な原因菌とはされていません ただし、口腔内の衛生状態が悪化すると、S. anginosusを含むさまざまな細菌が増殖し、複合的な影響を与える可能性があります。
- 口腔ケアの重要性:口腔内のバランスが崩れると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。適切な口腔ケア(定期的な歯磨き、フロスの使用、歯科検診など)は、これらのリスクを減少させるために重要
日常的な歯磨きと口腔ケアが重要な理由
- プラークの除去:歯磨きは歯の表面からプラークを除去し、細菌の繁殖を抑える助けになります。プラークが蓄積すると、細菌が増殖しやすくなります。
- 歯肉炎・歯周病の予防:不適切な口腔ケアは歯肉炎や歯周病を引き起こし、これが全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。Streptococcus anginosusを含む細菌が歯周ポケットに入り込むと、感染を引き起こす可能性があります。
- 膿瘍の予防:S. anginosusは膿瘍を形成する傾向があるため、口腔内の衛生状態を良好に保つことは、こうした感染症を予防するのに役立ちます
- 全身の健康維持:口腔内の細菌が血流に乗って全身に広がることがあり、心内膜炎や他の深刻な感染症のリスクが高まります。定期的な歯磨きはこれを防ぐ手助けになります。
まとめ
ピロリ菌が胃がんと関連は知られていますが、Streptococcus anginosusも最近の研究では胃がんとの関連が示唆されています
歯磨き嫌いな人も、もしかすると歯磨きをした方が胃がんになりにくいかもと思うと、少しは行動変容するかもしれません
私の家族にも届けばいいのですがwww
以上参考になれば幸いです
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