情報と謀略(上)を読了した

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最近、第二次世界大戦前後の歴史をしっかり学び直そうということで、読書にハマっております

しばらく読書ブログになりますw

春日井邦夫氏の『情報と謀略 上』を読了しました

結構な文章量と、海外の人の名前が多くて戸惑うのですが、内容は非常に面白くどんどん読めます

本書は、近代史における情報工作や諜報活動の実態を掘り下げ、特に戦時中の情報戦のあり方について詳しく論じています

戦争と情報は切っても切れない関係にあり、政府や軍部がどのように諜報活動を展開し、世論や敵国の動向を操ろうとしたのかが具体的な事例を交えて説明されています

一般人では、全くわからない水面下での機密情報のやり取りは目を見張るものがあります

そう考えると、私たちの持っている情報では、世界で起きている物事を完全に理解するのは難しいと思いました

見ている、聞いている情報だけではよくわからない実例を挙げると、

最近ではウクライナとロシアにおける戦争の中止か続行で、欧米が割れております

イギリスとアメリカが違うサイドに行くのか、と驚いています

ゼレンスキー氏とトランプ氏の対談、交渉決裂は歴史的な事件であり、未来の教科書レベルと思います

日本の一般的メディアはトランプ氏の方が非という論調ですが、Xのアメリカの投稿を見るに、ゼレンスキー氏の方が非、米民主党の影響下にあると論調が多そうです

どっちやねんな

ということで、どっちかわからんというのが正直なところでないでしょうか

その情報の真偽を判断することは容易ではありません

市井の人間にはわからない複雑な力学が働いている

さて、本書の中で特に印象に残ったのは、スパイ活動による暗号解析や情報奪取の実態です

日本も暗号戦に関与していたものの、連合国側の暗号解析能力には及ばず、結果として作戦行動や戦略決定において不利な状況に陥ることが多かったです

アメリカの「マジック」やイギリスの「ウルトラ」による暗号解読の成功が戦局を左右した一方で、日本側の暗号が脆弱だったことや、情報の適切な活用ができなかった点が興味いです

相手の情報を知れる、トランプを想定すると、ポーカーで相手の手札を見ながらやっているようなものなので、圧倒的な優位な立場になれます

イギリスの大戦にアメリカを引き込む経緯も初めて知りました

スパイによる機密情報の流出も重要な要素であり、特にソ連との関係において、日本の外交や軍事情報がどのように漏洩していたかが詳しく描かれてます

有名なゾルゲ氏と尾崎氏の南進論への誘導、ソ連への日本の動きの通達は、極東からドイツ戦線に戦力を持って来させることができ、勝利につながった

歴史のターニングポイントであると思われます

北に行くか南に行くか、その[情報]だけで世界が変わったということであり、情報の大切を痛感します

ソ連との日英米独との関係も本書の重要なテーマの一つ

欧米のスパイ合戦の実情、スターリンとの駆け引き、会談の裏側

いかに共産主義勢力が各国の陣営に根付いていたか知れます

本来相容れない自由主義陣営と社会主義陣営の共同戦線という矛盾

ドイツ、イギリス、アメリカ、ソ連の諜報戦の話がメインではありますが、

日本のことも多く書かれており、日ソ不可侵条約を巡る駆け引きや、終戦間際のソ連の対日戦略、日本国内の共産主義者との関係など、当時の日本が直面していた複雑な国際情勢も知ることができます

原子爆弾開発の経緯の諜報戦

原子爆弾開発までの道のりにおける、各国の諜報と特殊作戦は知らなかったので学びになりました

アメリカのマンハッタン計画が有名ですが、イギリス、ドイツも原子爆弾の開発を進めていたんですね

本書にも書かれていますが、イギリスのドイツの核開発を止めた経緯をchatGPTに聞いてみます

イギリスのスパイ活動と破壊作戦

イギリスの特殊作戦執行部(SOE, Special Operations Executive)は、ドイツの核開発を阻止するため、ノルウェーのレジスタンスと協力し、重水工場への破壊工作を計画した

作戦の流れ

① フレッシュマン作戦(1942年11月)→ 失敗

  • イギリス軍の空挺部隊が工場を破壊しようとした。
  • しかし、輸送機が墜落し、生き残った兵士はナチスに捕まり処刑

② ガンナーサイド作戦(1943年2月)→ 成功

  • ノルウェーのレジスタンス部隊(SOEの支援を受けたノルウェー人特殊部隊)が決行。
  • スキーを使って山岳地帯を移動し、敵に発見されずに工場へ潜入
  • 工場の爆破に成功し、重水生産をストップさせた

③ フェリー爆破作戦(1944年2月)

  • ドイツは損傷した工場を復旧し、重水をドイツへ輸送しようとした。
  • それを阻止するため、レジスタンスは重水を積んだフェリー「SFヒドロ号」を爆破
  • 重水の輸送を完全に阻止し、ナチスの核開発計画を破綻させた。

映画になりそうな特殊作戦です

全然知らんかった

第二次世界大戦は、原子爆弾という大量破壊兵器の作成への競争という側面も強いと感じました

あと、個人的に初めて知った黒いオーケストラと赤いオーケストラについてchatGPTに聞いてみます

黒いオーケストラ(Black Orchestra)赤いオーケストラについて

黒いオーケストラは、ナチス・ドイツ内部の反ヒトラー抵抗組織を指す言葉です

ドイツ軍の将校や情報機関の高官が関与したヒトラー暗殺計画(ヴァルキューレ作戦)に関係しています

特徴

  • メンバーにはドイツ国防軍情報部の幹部が含まれていた。
  • ヒトラー暗殺未遂事件(1944年7月20日のヴァルキューレ作戦)を主導した人々が多く関与
  • クーデター計画が失敗し、多くの関係者が処刑された

「黒いオーケストラ」という名称の由来

  • ドイツ軍内の秘密の抵抗組織を指す隠語
  • ナチスの独裁体制を崩壊させる「交響曲(クーデター)」を奏でる集団という比喩的な表現

赤いオーケストラ

このスパイ網は、ナチスのゲシュタポが名付けたコードネームで、「赤い」はソ連(共産主義)を、「オーケストラ」は無線暗号通信を使っていたことに由来します。

  • スパイ(エージェント) → 「演奏者(Musiker)」
  • 無線通信士 → 「ピアニスト(Pianist)」
    → 暗号通信のキーを打つ音がピアノの演奏のように聞こえたことから
  • 諜報ネットワーク全体 → 「オーケストラ(Orchester)」
    → それぞれのメンバーが協調して情報を集める様子がオーケストラの演奏に似ていた

赤いオーケストラの活動と功績

このスパイ組織は、特に以下の重要な情報をソ連に伝えました。

① バルバロッサ作戦(独ソ戦開始)の事前警告

  • 1941年6月、ナチス・ドイツはソ連侵攻(バルバロッサ作戦)を開始。
  • 赤いオーケストラはナチスの侵攻計画を事前にソ連に警告していたが、スターリンはこれを信じなかった。

② スターリングラードの戦いでの情報支援

  • 1942年、ドイツ軍の動きを分析し、ソ連軍に有利な情報を提供。
  • スターリングラードの戦い(1942-1943)で、ソ連の勝利に貢献したとされる。

③ ナチス占領地でのレジスタンス支援

  • ベルギーやフランスのレジスタンスと協力し、ドイツ軍の動きを妨害。
  • 情報を共有し、ナチスの軍事計画に影響を与えた。

めちゃくちゃガチなスパイ組織なんですが、黒いオーケストラも赤いオーケストラも、アニメとかゲームに出てきも違和感ないネーミングだなと思ってしまいました

まとめ

本を読むといかに自分が知らないことがあるかを思い知らされます

歴史を学ぶことの意義は、過去の過ちを繰り返さない、現代に生かすことにあると思います

本書を通じて、各国がどのように情報戦を展開し、その結果どのような影響を受けたのかを知ることは、現代における情報リテラシーを考える上で非常に有益と思いました

ナチスの侵攻計画を事前にソ連に警告していたがスターリン氏はこれを信じなかった、というエピソードは情報の真偽を判断するというのは非常に難しいことを示していると感じます

第二次世界対戦を情報という視点から回想できる貴重な一冊と考えました

以上参考になれば幸いです

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