今シーズン、
「インフルエンザBに2回かかりました」
「またBと言われました」
という話を、例年より多く聞く気がしている。
正直に言うと、
これまで私は インフルエンザ=A型中心で考えていた。
H1N1、H3N2、抗原変異、パンデミック……。
頭の中はA型の話ばかりで、B型については、あまり深く考えていなかった。
反省
ちょっと構造も違うやん、ということを再認識した・・・
最近の「Bに2回」という現象を、少し整理して考えてみる

まずインフルエンザBは1種類ではない
まず前提として、インフルエンザBには2つの系統がある。
- Victoria(ビクトリア)系統
- Yamagata(ヤマガタ)系統
系統が違いすぎる・・・
ビクトリア王朝と山形県?
A型のように「H1N1」「H3N2」といった大きな型分けはないが、
遺伝子的に別の“家系”が存在するようである
ラーメンではない
このため理論上は、Bに一度かかっても、別の系統に再感染する可能性はある。
ただし、最近はYamagata系統はほぼ出ていない
では、最近の「2回目」は
Victoria → Yamagata なのか?
というと、現状ではその可能性は低い。
- 2020年以降、Yamagata系統は世界的にほとんど検出されていない
- ワクチン株からも除外されている
感染研のデータを見たが、検出されていない
つまり、現在流行しているB型のほとんどはVictoria系統と考えてよさそうである
しかし、同じ系統なら免疫で対応できそうな気もするが?
それでも「Bに2回」起こるのはなぜか
上記を踏まえると、最近よく見るケースは、
Victoria系統のみが流行している状況でも、「2回目のインフルB」と診断されるというものだ。
自然免疫の作られ方と持続の問題を仮説として立ててみる
これで説明するのが妥当ではないかと思う
まず、インフルエンザBでは「終生免疫」は成立しない
麻疹や水痘のように、一度かかれば一生守られる感染症もある。
しかし、インフルエンザBでは終生免疫は成立しない。これはAも一緒である。
理由は単純で、
- B型でも抗原は少しずつ変化する
- 自然感染で得られる免疫は数か月〜数年で弱くなる
- 特に小児では初回感染の免疫が十分に強くならないことがある
つまり、「一度かかったから、もう安心」ではない。
時間が空くと、同じVictoriaでも再び感染しうる
たとえば、
- 11月にインフルエンザBに感染
- 軽症で回復
- 数か月後の2月、再びB陽性
このような経過は、同じVictoria系統であっても十分起こりうる。
これは免疫異常ではなく、
- 初回の免疫が十分に強くなかった
- 抗体価が時間とともに低下した
- 流行後半で強い再曝露を受けた
ここら辺の個人差はどうしても生じるので、上の条件が重なった結果の可能性がある。
インフルエンザワクチンはB型にも効果はある
今シーズンから、日本のインフルエンザワクチンは従来の「4価」から「3価」に変更されている。
- A型(2株): H1N1株 と H3N2株(香港型)
- B型(1株): ビクトリア系統
現在、ワクチンに含まれているB型は「ビクトリア系統」のみ。
2回目の感染は、ビクトリア系統内の細かな変異の可能性もあるかもしれない
「粘膜免疫(IgA)」の寿命の短さは関係するのか
ワクチンや重症化予防で重要なのは血中のIgG抗体だが、感染防ぐのは鼻腔や喉の粘膜にある分泌型IgA抗体も関係しているだろう
- 短命な記憶: IgAによる粘膜免疫は、血中のIgGに比べて持続期間が非常に短く、数日で低下する
- 局所感染: インフルエンザは全身疾患になる前に「局所の粘膜感染」として成立するため、血中抗体がいくら高くても、入り口のガードが下がっていれば「2回目の感染」をする可能性もあるか?
感染は成立してしまったが、極めて症状は軽い2回目とかはこのパターンか?
もし2回目の方が激烈なんですと言われたら、説明できないかも・・・
ウイルス曝露量の差で説明できるか?
1回目は少量の曝露で済んだが、2回目は家族内感染などで「桁違いのウイルス量」を吸い込んだ場合とか?
まとめ
- 現在、Yamagata系統はほぼ流行していない
- 流行しているのは主に Victoria系統
- それでも自然免疫の獲得が不十分、あるいは持続しない場合、
同じVictoria系統で「2回目」が起こりうる - これは異常でも、H1N1のような話でもない
インフルエンザというとA型ばかり意識していたが、B型にも注意する必要があると感じる今日この頃
以上参考になれば幸いです。

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