インフルエンザワクチンは、インフルエンザ脳症を防ぐのか?

健康・減量

インフルエンザは、ウイルス感染症の中でも高い感染力を持っています。

早期の予防や治療が重要です。手洗いやマスクの着用、予防接種など、日常生活でできる対策を実践することが大切です。

コロナの影に隠れてこの2年くらいはかなり下火だったのに、最近は徐々に増えてきおりました。

コロナで手洗いうがいが浸透したから、減ってきたわけでもなさそうですね。

今後も付き合っていかないといけないウイルス感染でしょう。

インフルエンザはタミフル(抗ウイルス薬)を飲まないと治らないと思っている方も多いですが、基本的には勝手に治る病気です。

タイトルの脳症を防ぐのか含めて、ワクチンに意味があるのかは大事な部分です。

最近また、流行しているので、改めて僕自身も気になっていることを調べてみました。

インフルエンザ感染とは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。

インフルエンザの症状には、高熱、喉の痛み、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、咳などがあります。

インフルエンザにかかるリスクが高まる要因は年齢、免疫力の低下、慢性疾患などです。

インフルエンザはタミフルを飲まなくても治る?

インフルエンザは、タミフルなどの抗ウイルス薬を服用しなくても自然に治癒することがあります。

インフルエンザは症状が重く、合併症を引き起こすことがあります。

高齢者、免疫不全状態の人、慢性疾患を持つ人などにとっては、深刻なリスクがあるため、抗ウイルス治療を受けてもいいかもしれません。

抗ウイルス薬は、症状が始まってから48時間以内に投与された場合、症状の緩和や病期の短縮に効果があることが知られています。

インフルエンザ対応、海外と日本の違い

インフルエンザは、世界中で流行している感染症ですが、国によって流行の時期や流行の程度に差があります。

  1. 流行の時期:日本では、インフルエンザの流行は主に冬季に集中します。一方、南半球の国では、インフルエンザの流行は主に夏季に集中します。北半球と南半球で流行の時期が逆転しているため、世界中で一年中インフルエンザが流行しています。
  2. 流行の程度 :日本では、流行がピークに達すると、学校や企業などでの集団感染が発生し、社会的な影響が大きくなります。一方、欧米などの海外では、感染者数が多くても社会的な影響は比較的少ない傾向があります。これは、日本での出勤率や学校の出席率が高いため、感染拡大がより顕著に現れるためとされています。
  3. 予防策:日本では、インフルエンザの予防策として、毎年秋季に行われるワクチン接種が一般的です。一方、海外では、ワクチン接種よりも、手洗いやマスク着用などの予防策がより普及しています。欧米では自宅での療養が推奨される傾向があるため、病院に行かずに自宅で療養することが多いです。
  4. 治療法:日本では、インフルエンザの治療には、抗ウイルス薬が用いられます。一方、欧米では、自宅での療養が主流となっているため、抗ウイルス薬の処方が比較的少ない傾向があります。

海外だとインフルエンザの検査をするのか?

ヨーロッパとアメリカでは、インフルエンザの検査に対するアプローチに若干の違いがあります。

ヨーロッパでは、インフルエンザ検査を行うことは一般的ではありません。

医療従事者は、一般的に、症状に基づいて診断を行い、必要に応じて治療を行います。

インフルエンザ検査は、一部の場合、病気の原因を正確に特定するために必要な場合にのみ実施されます。

アメリカでは、インフルエンザ検査は一般的に行われます。

医療従事者は、症状に基づいて診断を行い、検査を実施して診断を確定することがあります。特に、高リスクの患者、すなわち高齢者や免疫不全状態の患者、妊婦、小児などは、症状がある場合にはインフルエンザ検査を行うことが推奨されています。

これらの違いは、両国の医療制度や保険制度、感染症対策の文化などによるものと考えられます。

日本以外で、少しずつ対応が違いますね。

インフルエンザは普通の風邪と何が違うのか?

  1. 症状の重さ:インフルエンザは、急性の高熱、筋肉痛、全身の倦怠感などの症状が比較的重い傾向があります。一方、風邪は、症状が軽いことが多く、鼻水、喉の痛み、咳などが主な症状です。
  2. 発症の急さ:インフルエンザは、急激に症状が現れることが多く、一晩で発熱し、全身の症状が現れることがあります。風邪は、症状が徐々に現れることが多く、数日かけて症状が進行することがあります。
  3. 発病の時期:インフルエンザは、秋から冬にかけて流行する季節性の感染症であり、風邪は、年間を通じて発生することがあります。
  4. 重症化するリスク:インフルエンザは、高熱、咳、呼吸困難などの症状が進行することで、重症化することがあります。特に、高齢者や基礎疾患を持つ人は、合併症が起こる可能性が高いです。一方、風邪は、通常の症状が進行することで、副鼻腔炎、中耳炎などの合併症が起こることがありますが、インフルエンザほど重篤にはなりません。

参考文献:

インフルエンザワクチンでインフルエンザ脳症を防げるのか?

インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスに対する免疫を高めるために使われるワクチンです。

インフルエンザワクチンは、症状を軽減したり、合併症を防いだりする効果があります。

しかし、インフルエンザ脳症を完全に防ぐことはできません。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルスによって引き起こされる中枢神経系の合併症です。

インフルエンザウイルスが脳に侵入し、脳炎や髄膜炎を引き起こすことがあります。

インフルエンザ脳症は、子どもや高齢者などの免疫力が低下している人々にとって、重大な合併症の一つです。

インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスに対する免疫力を高めるために使われます。

インフルエンザワクチンを接種することで、インフルエンザウイルスによる感染や症状を軽減することができ、免疫力の低下した人々にとっては、合併症を防ぐために接種が勧められています。

インフルエンザワクチンがインフルエンザ脳症を完全に予防できるかどうかについては、明確な結論が出されていないため、証拠は限られています。

ただし、インフルエンザワクチンがインフルエンザによる合併症を減らすことが確認されています。

関連する論文をいくつか紹介します。

  1. 「Influenza vaccination and the risk of central nervous system syndromes: a meta-analysis of observational studies」(出典:Epidemiology and Infection、2018年)

このメタ解析では、インフルエンザワクチン接種が中枢神経系合併症(脳症、脳炎、髄膜炎など)のリスクを有意に低下させることが示されています。

  1. 「Influenza vaccination reduces the risk of stroke in Japanese patients」(出典:Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases、2019年)

この研究では、インフルエンザワクチン接種が脳卒中の発症リスクを低下させることが示されています。

脳卒中は、インフルエンザウイルス感染によって引き起こされる可能性がある中枢神経系の合併症の一つです。

これらの研究は、インフルエンザワクチン接種が中枢神経系合併症のリスクを低下させる可能性があることを示唆しています。

インフルエンザ脳症の発生率は?

日本ではインフルエンザ脳症について積極的な調査や報告が行われており、報告数は比較的多いとされています。

世界的に見ると、インフルエンザ脳症の発生率は比較的低いとされています。

WHOによると、世界中で年間約2万人がインフルエンザによる重症化や合併症で亡くなっていますが、そのうちのごく一部がインフルエンザ脳症によるものです。

インフルエンザ脳症を起こすのはなぜ?

インフルエンザ脳症の原因は、インフルエンザウイルス自体が中枢神経系に感染することによると考えられています。鼻や喉の粘膜から体内に入り、血流に乗って体内を広く巡ります。

脳や神経系にも感染することがあり、感染によって炎症や脳浮腫が起こり、脳機能が障害されることがあります。

ただし、インフルエンザ脳症が発生するメカニズムにはまだ多くの不明な点があります。研究が進んでいくことで、より詳細な理解が得られる可能性があります。

インフルエンザの株について

インフルエンザウイルスは、常に進化を続けており、季節性インフルエンザの主要な原因となる3つのタイプ(A、B、C)の株は、毎年わずかに変異しています。

これらの株の変異により、新しい株が生まれ、それが人々に感染することで、新しい季節性インフルエンザが発生します。

季節性インフルエンザの株には、A型、B型、C型があります。

A型インフルエンザは、人間のみならず鳥や豚などの動物にも感染することができ、遺伝子の組み換えにより新しい株が生まれることがあり、世界的な流行(パンデミック)を引き起こすことがあります。

B型インフルエンザは、人間にのみ感染することができ、A型に比べて変異の速度が遅いため、パンデミックを引き起こすことはまれです。

C型インフルエンザは、比較的軽い症状しか引き起こさず、季節的な流行もほとんどありません。

季節性インフルエンザウイルスは、世界保健機関(WHO)によって毎年監視され、その変異に基づいて、次のインフルエンザワクチンの配合株が選択されます。

これにより、インフルエンザワクチンは、その年の主要なインフルエンザ株に対して保護効果を発揮することが期待されます。

ウイルスの変異は常に進化を続けており、完全に予防することはできません。

次のインフルエンザワクチンの配合株が選択、どの様に選択している?

WHOは、世界中からインフルエンザウイルスの情報を収集し、毎年秋から冬にかけて、インフルエンザウイルスの監視と研究の専門家からなる委員会を招集して、次の年のインフルエンザワクチンの配合株を選択します。

具体的には、WHOは、各地域のインフルエンザウイルスを定期的に監視し、その情報を報告書にまとめます。この報告書には、各地域で発生したインフルエンザウイルスのタイプ、サブタイプ、株名、アミノ酸配列のデータが含まれています

この情報をもとに、WHOが招集する専門家委員会が、その年に流行する可能性が高い株を選択します。

選択された株は、製薬会社によって栽培され、その株を含むインフルエンザワクチンが製造されます。これらのワクチンは、世界中の人々に提供され、その年の主要なインフルエンザ株に対して保護効果を発揮することが期待されます。

株が外れた場合は?

株が外れた場合、ワクチンの効果が低下する可能性があります。

選択された株が、実際に流行したインフルエンザウイルスと異なっている場合、ワクチンの効果は低下する可能性があります。

インフルエンザウイルスが急激に変異した場合、選択された株が効果を発揮しない場合があります。

しかし、ワクチンの効果が低下した場合でも、ワクチン接種によりインフルエンザに罹患するリスクは低くなります。

ワクチン接種により発症した場合でも、症状が軽くなることがあります。

そのため、WHOは、毎年インフルエンザワクチンの配合株を選択する際に、可能な限り正確な情報をもとに株の選択を行い、ワクチンの効果を最大化するように努めています。

しかし、インフルエンザウイルスの変異は予測不能な場合があり、完全に効果を発揮することはできない場合もあります。

大きな被害をもたらす可能性のあるインフルエンザの株は

  • H1N1:1918年に世界中で大流行した「スペイン風邪」の原因株。2009年には、新型インフルエンザウイルスとして再び人間に感染拡大が起こりました。
  • H5N1:1997年に香港で初めて人間に感染が報告された鳥インフルエンザウイルスの一種で、感染者の死亡率が非常に高く、人から人への感染が確認された場合には大流行の可能性があります。
  • H7N9:2013年に中国で初めて報告された鳥インフルエンザウイルスの一種で、感染力が強く、感染後の死亡率も高いため、世界保健機関(WHO)からも注視されています。

鳥インフルエンザの何が怖いのか

鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)には、人間に感染する可能性があり、また感染した場合には重症化する可能性があるため、厄介な病気とされています。

以下に、鳥インフルエンザがどのような点で怖いのかを挙げます。

  1. 感染力が高い:鳥インフルエンザは、感染力が非常に高く、1羽の感染した鳥から数千羽の鳥に感染が広がることがあります。これによって、鳥の飼育場や、市場などで大規模な感染が起こることがあります。
  2. 人にも感染する可能性がある:鳥インフルエンザは、人間に感染することがあるため、人畜共通感染症の1つとされています。感染した場合には、重症化する可能性があり、死亡することもあるため、非常に危険な病気とされています。
  3. 大流行が起こる可能性がある:鳥インフルエンザが人間に感染し、人から人へと感染が広がることがある場合、大規模な感染拡大が起こる可能性があります。これによって、国や地域全体が感染拡大の危機にさらされることになります。
  4. ワクチンがない:現在のところ、鳥インフルエンザに対するワクチンは存在しません。そのため、感染が拡大した場合には、対処が非常に難しい状況に陥る可能性があります。

以上のように、鳥インフルエンザは感染力が高く、人間にも感染する可能性があるため、非常に危険な病気とされています。

まとめ

インフルエンザについて、改めて自分自身が知っておきたいことをまとめました。

勝手に治るならなんでワクチンせなあかんのか?

というのは大事な疑問と思います。

一般的なウイルス感染は概ね普通のかぜと同じ感覚ですが、インフルエンザ脳症は症状は激烈なこともあり若年者でも致命的になり得ます。

それになりにくい、なった場合も症状が緩和される、重症化を防ぐ可能性があるから、打ってもいいかなと個人的に思っています。

脳症になる可能性はもともとそんなに高くないですが。

国によっては、方針も少し違います。検査なんて全くしない

以上参考になれば幸いです。

以下2024/2/6に追記

最近は結構ビタミンDと感染症との論文がちらほらありますね。

インフルエンザもなりにくくするのではとの報告を見かけました。

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