運動したり、お風呂に入ると体が痒くなるのは何故なのか。かゆみ止めは何がいいのか?

健康・減量

運動すると急に体が痒くなる人がいらっしゃいます。

私も以前マラソンを始めると決意して、何回か走りましたが、走り出して少しすると猛烈に痒くなり断念しました。

熱いからなのか?

またお風呂に入った後に、全身に蕁麻疹ができる方もいらっしゃいます。

血流が良くなったので?

疾患概念としては、

コリン性蕁麻疹という概念に想定すると思われます。

私自身の経験もあったので、痒みについて調べてみました。

痒いとはどういうことなのか?

皮膚が刺激物にさらされると、刺激物が皮膚のかゆみ受容器を誘発します。 

これらの受容体は神経線維を介して信号を脊髄に送り、脊髄はその信号を脳に中継します。

かゆみの信号は、「脊髄視床路」と呼ばれる脊髄内の特定の神経経路を通って移動し、視床にある脳の「かゆみ中枢」に到達します。

脳は信号をかゆみとして解釈します。

アレルゲンや刺激物に反応してマスト細胞からヒスタミンが放出されることも、かゆみを引き起こす可能性があります。 

ヒスタミンは神経終末の受容体に結合し、神経線維が信号を脊髄に送り、次に脳に送り、かゆみを感じます.

一般的な蕁麻疹の発生経路ですね。

だから抗ヒスタミン薬が使用されます。

痒みを引き起こすまでのプロセスや物質は他にもあります。

中枢性の痒みとしてエンドルフィンなどが上昇して痒みを起こすことも報告されています。

コリン性蕁麻疹とは一体何なのか?

汗や摩擦、熱などによって引き起こされるアレルギー性皮膚疾患です。

赤く腫れるような発疹が現れます。

深部体温の上昇をもたらす行動は、コリン作動性蕁麻疹の発症を引き起こす可能性があります. 運動や高温多湿の環境は、最も一般的な誘発因子です。 

典型的な誘発要因には、熱いお風呂やシャワー、辛い食べ物や熱い食べ物の摂取などがあります。

皮膚表面にある汗腺から分泌されるアセチルコリンという化学物質が関係しています。

アセチルコリンは、自律神経系によって制御される神経伝達物質の1つで、汗腺や筋肉などの動きを調節します。

一部の人は、アセチルコリンに対して過敏に反応し、痒みや発疹などのアレルギー症状が現れることがあります。

アセチルコリンがヒスタミンを増加させるとも言われています。

これ初耳でした。

コリン性蕁麻疹は、特定の疾患や状態(甲状腺機能亢進症、蕁麻疹体質、感染症、ストレス等)が引き起こす場合もあります。

一般的な蕁麻疹との違いとは?

一般的な蕁麻疹は、身体のあらゆる部位に赤い発疹や腫れ、かゆみが現れる炎症性の皮膚病です。

主にアレルギー反応によって引き起こされ、花粉症や食物アレルギー、薬物アレルギー、接触アレルギーなど、様々な原因が考えられます。

ストレスや感染症などの非アレルギー性の刺激によっても発生することがあります。

一慢性的な場合は数週間以上続くことがありますが、通常は自然治癒する傾向があります。

症状を軽減するためには、かゆみ止めの軟膏や抗ヒスタミン剤の内服、またはステロイド剤の塗布などが用いられます。

原因となるアレルギー物質を避けたり、ストレスを軽減することで予防することができます。

コリン性蕁麻疹は、身体の汗腺から分泌されるアセチルコリンに対するアレルギー反応によって引き起こされます。先述しましたが、通常の蕁麻疹とは異なり、発疹やかゆみは汗をかいたり、体を動かしたりすることで引き起こされることが特徴です。

治療法としては、抗ヒスタミン剤の内服が用いられます。

結局は抗ヒスタミンです。

アトロピンが治療薬であると記載もあるのですが、メジャーではないと思います。

最近のPubmedで調べましたが、明らかな論文はなかったです。

和文では検索ありましたが。

アトロピンが効果がある可能性があるっていうのは面白いですね。

痒みに関係するのはヒスタミンだろって、固定概念がありましたので。

メカニズムを考慮すると、よくわからん蕁麻疹に使用してもいいのかもしれませんが、副作用もあるのでファーストからは使いにくいですね。

コリン性蕁麻疹は自然治癒するのか?

通常は数時間から数日で自然に治まることがありますが、個人差があります。

暑い場所やジムなどでの激しい運動を避けたり、体を冷やすことが推奨されます。

コリン性蕁麻疹が重症化した場合、以下のような症状が現れることがあります。

激しいかゆみや痛み:一般的な蕁麻疹と同様に、皮膚に発疹や腫れが現れ、激しいかゆみや痛みを引き起こすことがあります。これは、アセチルコリンが分泌される度に症状が悪化するため、非常に不快な症状となります。

発熱や体調不良:症状が悪化すると、発熱や体調不良が現れることがあります。これは、症状の重症化に伴って免疫系が刺激されるためです。

呼吸困難:重症化すると、呼吸困難が現れることがあります。気道浮腫が原因です。

コリン蕁麻疹の最中に運動したらどうなる?

運動をすると、身体が発汗し、心拍数が上がるため、コリン性蕁麻疹の症状が悪化する場合があります。

コリン性蕁麻疹は、アセチルコリンが関係して引き起こされるため、汗をかいたり、体を動かすことでアセチルコリンが分泌され、症状が悪化することがあります。

コリン性蕁麻疹の症状が軽度であれば、運動を行うことができる場合があります。

運動したら体が痒くなるのは何の病気?

運動したら体が痒くなることは、一般的には「運動誘発性蕁麻疹」と呼ばれるアレルギー反応によるものです。

この症状は、運動中に汗をかくことで皮膚表面に蓄積されたヒスタミンなどの物質が放出され、皮膚にかゆみや蕁麻疹のような症状を引き起こします。

一説では、ヒトの汗の成分に対する IgE を介したアレルギーによって引き起こされる可能性があることが示唆されています。

しかし原因ははっきりしておりません。

運動性蕁麻疹は一般的には症状が軽く、運動後しばらくすると自然に症状が消失することが多いです。

でも運動する気はなくなります。

ヒスタミンとアセチルコリンって何なの?

ヒスタミンは、アレルギー反応や炎症反応などに関与する生体アミンの一種です。

ヒスタミンはマスト細胞や好塩基球などの細胞内に蓄積されており、刺激によって放出されます。

ヒスタミンの放出によって、血管が拡張して血管透過性が上昇することで、蕁麻疹やアレルギー性鼻炎、喘息などの症状が引き起こされます。

アセチルコリンは、神経伝達物質の一種です。アセチルコリンは神経末端から放出され、神経細胞間や神経と筋肉の間のシナプスにおいて、神経伝達を行うために使われます。

アセチルコリンは、骨格筋を収縮させることや、心臓の収縮を調節することなど、身体の様々な機能に関与しています。自律神経系にも重要な役割を持ち、交感神経や副交感神経の刺激によって、心拍数や血圧などの調節にも関与します。

アセチルコリンが痒みに関係する主なメカニズムは、神経刺激による皮膚の血管拡張や血管透過性の上昇によって、炎症反応を引き起こすことです。

痒みを引き起こす神経は、末梢神経系の一部であるC繊維と呼ばれる神経線維によって伝達されます。これらの神経線維は、アセチルコリンや他の物質によって刺激されることで、痒みを引き起こすシグナルを送信します。

アセチルコリンは、蕁麻疹のようなアレルギー反応でも関与しています。好塩基球やT細胞から放出されるヒスタミンやその他の炎症性物質の放出を促進することが知られています。

これによって、炎症反応が起こり、皮膚のかゆみや蕁麻疹が引き起こされます。

アセチルコリンは炎症反応を引き起こすことがあるため、痒みや蕁麻疹の原因となることがあるということです。アセチルコリンが皮膚のかゆみに直接的に関与することは、ヒスタミンなどの他の物質に比べると比較的少ないと考えられています。

まとめ

痒みについて調べてみました。

運動すると痒くなるとか、お風呂に入ったら蕁麻疹が出たことがある方は多いと思われます。

一応は抗ヒスタミン薬がfirstになります。

かゆみ止めとして何がいいというか、それくらいしか薬剤がないと思います。

最近のレポートでは、シクロスポリンがコリン性の痒みに聞いたとの報告もありました。

Cyclosporine in Cholinergic Itchという論文になります。

といっても抗ヒスタミン以外に目立った投薬はないのが現状です。

なかなか症状が治らないことまり、10年くらい続いたりすることもあるそうです。

個人的には痒みのメカニズムとしてはヒスタミン以外もあるのだなと今回学びました。

以上参考になれば幸いです。

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