帯状疱疹まとめ、脳梗塞との関係性。帯状疱疹はうつる?うつらない?

健康・減量

帯状疱疹、最近は診断した覚えがありませんが、友人が帯状疱疹で困っていたので再度調べてみました。

頭痛の鑑別診断では上がってくることがあります。

片頭痛と診断したら、後日におでこに帯状疱疹ができた症例を経験したことがあります

皮疹があれば診断は容易ですが、診察時にないこともしばしばあります。

ヒリヒリ感のある頭痛の場合はしっかりと頭痛の鑑別診断に加えることは必要かもしれません。

調べている中で帯状疱疹の発症が若年生脳梗塞の発症に関与する可能性があると、初めてしりました。

不学でしたので勉強も兼ねて基礎から記載します。

帯状疱疹はうつる?うつらない?というのは、以前に入院中の患者様で、発症したことがありどうしようか悩んだことがあるので少し調べてみました。

帯状疱疹とは

水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症のことです。

水痘はみずぼうそうのことで、今はワクチン接種をしていますので、かかることが少ない。

以前よりは見る頻度は減ったと思います。

かかったとしても、ワクチンのおかげで症状が出ていないだけかもしれません。

しっかりワクチンを打たれた方でも発症することはありますが、症状がごく軽微であることが多く正直診断が難しいです。

ワクチンが定期接種になる前の方たちは、かかったことがある人が大半でないでしょうか。

その水痘ウイルスがそのまま神経節内に潜伏して、何らかのきっかけ、免疫が弱る時に再活性化して症状を引き起こします。

症状は疼痛を伴った水疱性発疹ができます。疼痛はヒリヒリとかピリピリとか形容されることが多いです。

大体50歳くらいを超えてきたら起こることが多いと記載されています。

帯状疱疹の治療

治療としては抗ウイルス薬があります。

急性神経炎に伴う痛みの軽減、皮膚病変の治癒を促進、新病変の形成を押さえる効果があります。

成書を読んでも症状発症から72時間かどうかで抗ウイルス薬の処方をするかどうか、72時間以内なら抗ウイルス薬の処方をすべきですし、健康な人であれば72時間以上経過していたら投与なしの場合もあるかもしれません。

軽度の痛みの患者には、NSAIDやアセトアミノフェンを使用します。

疼痛が激しい人には 短時間作用型麻薬、ステロイド 、抗うつ薬が使用される場合があります。 

帯状疱疹はうつる?

結論は感染します。

水痘に比べると感染力が少ないです、水痘は空気感染をするのでめちゃくちゃ感染力があります。

帯状疱疹でも、直接接触または皮膚病変からのウイルスのエアロゾル化によって、人から人へと伝染します。

発疹を覆うことでウイルスの拡散を防ぎます。

水痘や水痘ワクチンを接種したことのない妊婦、未熟児や低出生体重児、免疫不全の人との接触を避けた方が良いとされています。

入院中の管理は調べてみましたが、通常の帯状疱疹は接触予防策で十分であることが多いです。

軽い帯状疱疹は感染力が普通の水痘に比べて低いからです。

播種性帯状疱疹の場合、全身に起こる場合は空気感染予防をとっているところが多いのではないでしょうか。

全身性の場合は個室隔離が望ましいです。

帯状疱疹と脳梗塞

本題にいきましょう。

帯状疱疹と脳梗塞の関係は正直知らなかったです。

神経節に潜伏していたウイルスが血管内皮細胞に感染することで、血管炎を引き起こし脳梗塞を起こすと考えられているそうです。

日本でも調べると、何件かケースレポートがありました。

特に基礎疾患なしで若年で起こるそうです。

2014年の英国からの論文ですが、脳梗塞と心筋梗塞のリスクが上がるとされています。

血管疾患の危険因子は、対照と比較して有意に増加しました。 脳卒中ではなく 一過性脳虚血発作 と 心筋梗塞はすべての 患者で増加しました 。それぞれ 1.15倍  と 1.10倍 。 40 歳未満の発症した症例では、脳卒中、一過性脳虚血発作、および 心筋梗塞 が増加しました 。それぞれ1.74倍、2.42倍、1.49倍 。 

Herpes zoster as a risk factor for stroke and TIA: a retrospective cohort study in the UK

最近でも同様の報告があります。長期間発症リスクが上がるそうです。

脳卒中の多変量調整ハザード比は、1 ~ 4 年経過した人では 1.05倍 、5 ~ 8 年経過した人では 1.38倍でした。 1.28倍 は HZ から 9 年から 12 年の間で、1.19倍は13 年以上の場合です。

CHD の対応する多変量調整ハザード比 (95% CI) は、1 ~ 4 年で 1.13倍 、5 ~ 8 年で 1.16 倍、9 ~ 12 年で 1.25倍) でした。 13 年以上の場合は 1.00倍。

Herpes Zoster and Long‐Term Risk of Cardiovascular Disease

水痘ウイルス自体が血管炎に関与しているとされ、小児期でも報告されています。

結構若年の報告も多いです。

Varicella Zoster Virus: A Not Uncommon Cause of Stroke in Children and Adults

他の報告では、

70 人の子供のうち 22 人 (31%) が前年に水痘に感染していたのに対し、健康な集団では 9% でした。 水痘コホートの子供は、非水痘コホートの子供よりも大脳基底核梗塞 (P < 0.001)、異常な脳血管画像 (P < 0.05)、再発性 AIS または一過性虚血発作 (P < 0.05) を有する可能性が高かった。 

Chickenpox and Stroke in Childhood  A Study of Frequency and Causation

まとめ

帯状疱疹と脳梗塞と言われると全くピンときませんでしたが、そんなに稀ではなさそうです。

調べると水痘自体で幼少期からもそういうリスクはあるそうです。

若年性の脳梗塞の原因として水痘は念頭においても良いかもしれません。

小児での報告も結構ありますので、全年齢で関係してきており注意が必要です。

普段知っているつもりの疾患でも、知らない要素もあるのだと改めて思いました。

参考になれば幸いです。

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