2024年10月27日に衆議院選挙がありました、幼い頃はお笑い番組見せろよ、と思っていましたが、年を経るにつれ選挙の熱狂、面白みを感じるようになってきました
選挙が終わるたびに、「あれ?比例代表制って実際どういう仕組みなんだっけ?」と感じる方も少なくないはず
もしかして私だけ知らないのか?
常識なのか・・・?
怖くて聞けないwww
選挙は「個人の候補に投票するもの」というイメージが強く、比例代表のように政党ごとに票が集計されて配分されるシステムは馴染みが薄い
私もその一人で、今回こそ比例代表制の基本を押さえたいと思いました。
というか、あんまり意識していなかったです
小選挙区はわかりやすいと思う
比例代表は、数が多い方がそりゃええ、と思っていましたが、配分数はよくわからなかった
小選挙区比例代表制が世界共通なのかと思ったら、まぁまぁ国ごとに違うこともわかりました
海外でも小選挙区と比例代表を組み合わせた制度が使われていますが、日本のような「小選挙区比例代表並立制」を導入している国は少数派で、むしろ「小選挙区比例代表併用制」や「比例代表単独制」を採用している国が多いらしいです
小選挙区比例代表併用制
ドイツ
ニュージーランド
小選挙区制
イギリス
アメリカ
カナダ
比例代表制を軸に調べてみたいと思います
日本の比例代表制の現状について
日本では小選挙区と比例代表を組み合わせた「小選挙区比例代表並立制」が採用されていますね
地域ごとの小選挙区の代表と、全国的な比例代表の議席が同時に選ばれます
この仕組みにより、与党と野党がバランスよく議席を持つ可能性が高まります
小選挙区比例代表並立制の導入背景
小選挙区比例代表並立制は、日本で1994年に導入されました
この制度は、選挙制度改革の一環として、選挙の公平性と代表性を高める目的で採用されたものです
この制度の導入によって、それまでの「中選挙区制」から大きく変わり、小選挙区と比例代表の票がそれぞれのルールに従って議席を配分されるようになりました
1980年代から90年代にかけて、日本の政治では「金権政治」や汚職問題が深刻化しており、選挙制度の改革が求められていました
特に中選挙区制では、同じ党の候補者が同一選挙区で競い合うため、膨大な選挙資金が必要になるなどの問題が指摘されていました
これらを改善するため、よりシンプルな小選挙区と政党の代表性を反映する比例代表を組み合わせる現在の制度が導入されたのが経緯です
比例代表制の基本の仕組み
比例代表制とは、各政党が得票数に応じて議席を獲得する方法です
多数派だけが勝つ小選挙区制と違い、少数の意見も反映しやすい特徴があります
このため、多くの政党がバランスよく議席を持つようになります
- 政党に投票する
比例代表制では、候補者個人ではなく、政党に対して投票します
国民は「どの政党を支持するか」を選ぶイメージです。
- 得票数に応じた議席数の配分
各政党が獲得した票数に応じて、議席が配分されます
例えば、シンプルにすると、ある選挙区に10の議席があって、A党が全票数の30%、B党が20%を得た場合、A党は3議席、B党は2議席を獲得するというふうに、得票割合に応じて議席数が決まります
- リスト方式(名簿)
各政党はあらかじめ「名簿(リスト)」を作成していて、そこに所属する候補者の順位が書かれています
議席が配分されたら、その名簿の上位の候補者から順に議員として選ばれていきます。
- 得票率に基づく議席の調整
得票率や各地域での投票結果をもとに、議席の配分が細かく調整されるため、各政党の得票数ができるだけ正確に反映されるようになっています。
日本の比例代表制では、基本的に「ドント方式(D’Hondt方式)」が使われています。
ドント方式の仕組み
ドント方式は、比例代表の議席を配分するための計算法です
具体的には、各政党の得票数を「1、2、3、4…」と順番に割り、それぞれの数値を比べて上位の議席を分配する方法です。以下がその基本的な手順です。
- 政党ごとに得票数を用意する
各政党が得た票数をもとに、議席数を決めます。 - 票数を順に割り算
各政党の票数を1、2、3…と割り、それぞれの結果を並べます。 - 上位から順に議席を割り当てる
例えば、10議席がある場合、得票数の割り算で出てきた数値の上位10個が高い順に、各政党に議席が配分されます。
ドント方式の特徴
この方式では、得票数が多い政党が多くの議席を獲得しやすくなりますが、少数の政党にも一定の議席が確保されるよう配慮されているため、比較的公平に議席が分配される仕組みとされています
たとえば、A党が100万票、B党が60万票、C党が40万票を得ていたとしましょう。3つの政党が競い合うとして、ドント方式で議席配分が行われます
このような割り算の方法で議席が配分されるので、得票率に応じた議席数が割り当てられ、少数派の意見もある程度反映される仕組みになっています
具体例でドント方式を理解する
2024の近畿ブロックのデータをchatGPTに取り込んでグラフを作りました
Division1はそのままの投票数の数字です
以降2、3にしたがって順に2.3.4と格闘の総数を割っていきます。
赤線のラインは、当選者のラインです
こんな感じで当選者数を決めております
Chat GPTは下のようにおしゃれの折れ線グラフも作ってくれっていいですね
党派 | 獲得議席数 |
維新 | 7 |
自民 | 6 |
立民 | 4 |
公明 | 3 |
国民 | 2 |
共産 | 2 |
れいわ | 2 |
参政 | 1 |
保守 | 1 |
社民 | 0 |
最大剰余方式の手順
ドント方式以外もありますので、記載します
- 各政党の「割り当てられるべき議席数」を計算
各政党の得票数に基づき、全体の議席数を得票数に比例して計算します
例えば、全体の議席数が20で、A党が全得票数の30%を得た場合:
A党の割り当てられるべき議席数=20×0.3=6.0
- 整数部分の議席を割り当てる
各政党の「割り当てられるべき議席数」の整数部分をまず割り当てます。
例えば、A党の6.0は「6議席」を割り当てます。 - 余りを比較して残りの議席を配分
整数部分の議席を割り当てた後、まだ配分されていない議席がある場合、それぞれの政党の「小数部分(余り)」を比較し、余りが最も大きい順に残りの議席を配分します。
例えば、以下のような余りが出たとします:
- A党: 0.6
- B党: 0.4
- C党: 0.9
この場合、まずC党が1議席を獲得し、次にA党がもう1議席を獲得するという形になります。
今回の近畿ブロックに結果を用いてみましょう
. データの概要
総議席数: 28
総得票数: 各党の得票数合計
党派 | 得票数 | 得票率 (%) | 正確な議席数 | 整数議席数 | 余り |
維新 | 2,069,796 | 23.3 | 6.52 | 6 | 0.52 |
自民 | 1,837,859 | 20.7 | 5.79 | 5 | 0.79 |
立民 | 1,247,252 | 14.1 | 3.93 | 3 | 0.93 |
公明 | 1,030,324 | 11.6 | 3.24 | 3 | 0.24 |
国民 | 739,517 | 8.3 | 2.33 | 2 | 0.33 |
共産 | 649,195 | 7.3 | 2.05 | 2 | 0.05 |
れいわ | 557,899 | 6.3 | 1.76 | 1 | 0.76 |
参政 | 350,211 | 3.9 | 1.10 | 1 | 0.10 |
保守 | 288,326 | 3.3 | 0.90 | 0 | 0.90 |
社民 | 99,161 | 1.1 | 0.31 | 0 | 0.31 |
2. 正確な議席数の計算
各党の得票数を用いて「正確な議席数」を求めました。以下の計算式で導出しています。
正確な議席数=(得票数/総得票数)×総議席数
例えば、維新の場合:
維新の正確な議席数=(2,069,796/総得票数)×28=6.52
3. 整数部分の議席配分
各党の「正確な議席数」の整数部分をそれぞれの議席としてまず割り当てました。
例えば、維新は6.52なので、まず6議席を割り当てます。
4. 余りによる追加議席の配分
整数部分の配分後、残りの議席を「余り」に基づいて割り当てます。余りが大きい順に議席を追加します。
- 立民(余り0.93)が1議席を追加
- 保守(余り0.90)が1議席を追加
- 自民(余り0.79)が1議席を追加
- れいわ(余り0.76)が1議席を追加
- 維新 (余り0.52))が1議席を追加
結果
最終的な議席数は以下の通りです。
党派 | 獲得議席数 |
維新 | 7 |
自民 | 6 |
立民 | 4 |
公明 | 3 |
国民 | 2 |
共産 | 2 |
れいわ | 2 |
参政 | 1 |
保守 | 1 |
社民 | 0 |
この手順をもとに、最大剰余方式で議席が配分されました。
今回の選挙の近畿ブロックの結果はではどっちの方式でも同じようですね
まとめ
今回の選挙を踏まえて、比例代表制について成り立ちや計算法を確認してみました。
配分の仕方にも色々ありますし、選挙のやり方も国によって様々なことがわかりました
日本はドント方式を使っていることも知り勉強になりました
選挙に興味を持っていただいて、次回も選挙に行きましょう
以上参考になれば幸いです
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