マイオカインについて、イリシンとアルツハイマーの関係

健康・減量

マイオカインは、筋肉細胞(特に骨格筋細胞)が運動中に分泌する一群のタンパク質やペプチドです。これらの分泌物は、体内の他の器官や組織に影響を与えることで、広範囲にわたる生理的な効果を持っています。

筋トレがやっと、習慣に落とし込めるようになりましたので、私もマイオカインに塗れているはず

10分くらいしかしていないですが・・・

とりあえず、ちょっとでもいいから継続するのがコツなんでしょうね。

さて、マイオカインの話を聞いてさらに筋トレに興味を持ちました。

私は筋肉をつけた方が、見た目も良くなるし、安いTシャツ姿でもカッコよく見えるのであと痩せやすいし、コスパがいいと思ったのが筋トレをする理由でした。

マイオカインの話聞くと、運動自体はかなりの見た目や代謝以外も炎症系や内分泌と多岐に効果がありそうですね。

紫外線は老化につながりますが、屋内の筋トレでは紫外線を浴びませんので、筋トレしている人の方がなんだか見た目も若々しい気がします。

若くなる要素があるのかないのか、ちょっと調べていたらイリシンとアルツハイマーの関係の論文が最近発表されてました。

アルツハイマーは認知症ですね、イリシンは何を隠そうマイオカインなわけです。

私も中年ですので、これから脳や体の能力は下降する一方ですので、今から老化を防ぐべくできることはしようと思い、いろいろ調べました。

マイオカインの主な機能

  1. 代謝調節: マイオカインは、脂肪の代謝や糖の恒常性の維持に重要な役割を果たします。例えば、筋肉から分泌されるイリシンは、褐色脂肪組織の活性化を促進し、エネルギー消費を増加させることが知られています。
  2. 炎症応答の調節: 運動によって引き起こされる炎症反応に対して、マイオカインは重要な調節役割を担います。これにより、慢性炎症を抑制し、組織の修復や回復を促進することができます。
  3. 内分泌機能の調節: マイオカインは内分泌系に影響を与え、ホルモンの分泌や感受性に影響を与えることがあります。
  4. 免疫系の調節: 免疫系に対するマイオカインの影響も注目されています。運動によって分泌されるマイオカインは、免疫応答を強化し、感染症への抵抗力を高める可能性があります。
  5. 神経系への影響: 一部のマイオカインは、脳の機能に影響を及ぼし、認知機能の向上やストレス応答の調節に寄与することが示唆されています。

マイオカインの一例

イリシン: 筋肉が運動に反応して分泌するホルモンで、脂肪の燃焼やエネルギー代謝の調節に関与しています。

マイオスタチン: 筋肉の成長を抑制する効果があり、その活性が抑制されると筋肉の増大が促進されます。

インターロイキン-6 (IL-6): 運動によって最も早く大量に分泌されるマイオカインの一つで、エネルギー代謝、炎症応答、免疫機能の調節に関与しています。IL-6は、運動中の糖新生と脂肪分解を促進し、持久力運動時のエネルギー供給に貢献します。

フォリスタチン: マイオスタチンの拮抗物質として機能し、筋肉の成長と修復を促進します。フォリスタチンは、筋肉量の増加や筋力の向上に重要な役割を果たします。

インターロイキン-15 (IL-15): 筋肉の合成と脂肪の分解に関与しています。IL-15は、筋肉量の維持と脂肪細胞の減少に影響を与えることが示されています。

デコリン: 筋肉の成長と回復に関与し、特に筋肉の再生と筋線維の構造に影響を与えます。デコリンは、筋肉の損傷後の修復プロセスにおいて重要な役割を果たすと考えられています。

IL-6しか知らなかったです。

しかし私はIL-6は炎症性サイトカインやとばっかり思ってましたが、抗炎症性もあるのですね。

めちゃくちゃ勉強になりました。

生理学は深いですね。

それ以外のホルモンは全く聞いたことがありません。

どうでもええけど、デコリンって可愛いな

筋トレの若返り効果は?

筋トレの効果としては

  1. 筋力と筋量の維持: 加齢に伴い、筋力と筋量は自然に減少します(筋肉減少症)。筋トレは筋肉の量と強さを維持し、加齢に伴う筋力の低下を遅らせることができます。
  1. 代謝の向上: 筋トレは基礎代謝率を高めることが知られており、これは体重管理や体脂肪の減少に役立ちます。健康的な体重と体脂肪率は、若々しい外見と健康に寄与します。
  1. 骨密度の改善: 筋トレは骨密度を高め、骨粗しょう症のリスクを減少させます。強い骨は若々しい活動レベルを維持するのに役立ちます。
  1. 心血管健康の向上: 定期的な筋トレは心血管系の健康を促進し、心疾患のリスクを低減します。健康な心臓と血管は、体全体の健康と若さを維持するのに重要です。
  1. 精神的な健康とウェルビーイング: 筋トレはストレスを減少させ、自尊心と自己効力感を高めることが知られています。精神的なウェルビーイングは、若々しい外見と姿勢に影響を与えます。
  2. ホルモンバランスの改善: 特にテストステロンのような若返りホルモンの生産に影響を及ぼすことがあります。

筋トレはマイオカインの分泌を促進し、これらのタンパク質は身体の多くの健康面に影響を及ぼします。例えば、前述したイリシンは脂肪の代謝を改善し、糖尿病や肥満の予防に役立つ可能性があります。これらの効果は、全体的な健康と若返りに寄与する可能性があります。

骨粗鬆症になると背骨が曲がったりしますし、身長が縮んだりしますね。

筋トレしている方が、ストレスもないし骨や筋肉も強くて怪我しにくくなります。

心肺機能が強くて末梢循環も良いから皮膚も綺麗になるのだろうか?

若返るかわかりませんが老化はしにくそうな感じがします、健康には良さそうです。

マイオカインは医療者としては非常に面白いのですが、その中でもイリシンは半端ないので勉強します。

イリシンの主な機能と効果

  1. 色脂肪組織の活性化: イリシンは、白色脂肪細胞を褐色脂肪様細胞に変換することができます。褐色脂肪はエネルギーを熱として放出するため、イリシンは体重管理や肥満の予防に貢献する可能性があります。
  2. エネルギー代謝の改善: イリシンは、エネルギー代謝を高め、インスリン感受性を改善することが示唆されています。これにより、2型糖尿病の予防や治療に役立つ可能性があります。
  3. 神経保護効果: 一部の研究では、イリシンが神経細胞を保護し、認知機能の改善に寄与する可能性が示唆されています。これは、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療に関連しているかもしれません。
  4. 骨の健康の促進: イリシンは骨の形成を促進し、骨密度の増加に寄与する可能性があります。

イリシンは、白色脂肪細胞を褐色脂肪様細胞に変換することができます。

これは非常に面白いですよね。

運動がイリシンの分泌を促進するため、定期的な運動は脂肪燃焼を促進する一因としてイリシンのレベルを高めることになる可能性があります。

運動するのはイリシンのためと言っても過言ではない。

運動は生活習慣病の是正になると実感しますよね。

インスリン感受性の向上にも繋がるなんて。

イリシンとアルツハイマーについて

アルツハイマーって運動している人には少なくない?って言われていたんですけど、なんでかは分かってなかったんですね。

それが最近このイリシンのおかげちゃうかっていう論文がありました。

面白い論文がので引用します。内容を簡単に説明します。

引用論文はこれです。Irisin reduces amyloid-β by inducing the release of neprilysin from astrocytes following downregulation of ERK-STAT3 signaling

アルツハイマー病とアミロイドβ: ADの主な特徴は、脳内にアミロイドβ(Aβ)タンパク質が蓄積することです。

イリシンの役割: イリシンはファイブロンェクチンタイプIIIドメイン含有5(FNDC5)から形成され、アミロイドβの病理を顕著に減少させます。これは、アストロサイトからAβを分解する酵素であるネプリリシン(NEP)の放出を促進することによって実現します。

作用メカニズム: Aβの病理の減少は、ERK-STAT3シグナリングの抑制によって媒介されます。

イリシン受容体の特定: 研究では、アストロサイト上のイリシン受容体としてインテグリンαV/β5を同定し、イリシンによるNEPの放出を促進し、Aβの除去につながります。

アルツハイマー病への影響: これらの発見は、運動によって誘発されるイリシンがアルツハイマー病におけるアミロイドβの病理を減少させる細胞および分子メカニズムを初めて明らかにし、ADの予防と治療を目指す新たな治療標的への示唆をしている。

イリシンはアミロイド蛋白を分解するネプリリシンの放出を促進することでアミロイド蛋白を減らすということです。

中年の私はもうこれからは衰えていく一方です。アミロイド蛋白だけではアルツハイマーの発症は説明できないとされていますが、よくない物質であることは間違い無いでしょう。

この蓄積は加齢と共に増加することが多いですが、健常者でも実はこのアミロイド蛋白が見られることがあるんですね。量は多く無いのでしょうけど。イリシンがベータアミロイドの処理に役立つとすれば、健康な人々においてもその効果が期待できるかもしれません。知らんけど。笑

まとめ

マイオカインについてまとめました。

筋トレは見た目だけでなく、代謝や内分泌など目に見えない効果を発揮して健康にしてくれます。

またマイオカインの一種類であるイリシンは脂肪細胞を褐色細胞に変化させることができ脂肪の除去に役立ちます。さらにそれがインスリン感受性の亢進に寄与し、糖尿病の予防につながります。

アルツハイマーと運動の関係はイリシンで説明がつきそうです。

ちょっと運動するということの健康に対するコスパは非常に高そうです。

以上参考になれば幸いです。

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